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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

ベッドのなかで

50歳を過ぎてから、朝早く目が覚めるようになった。

歳をとると早起きになる、とはよく聞くことなので、まあ普通のことなのだろうと受け入れている。

とは言え、目が覚める時間が半端じゃない。平均すると午前3時。早いと丑三つ時とも言われる2時や2時半に目覚めることもある。これは普通なのか?とツッコみたくなるが、子育て中お世話になった「個人差」という言葉を持ち出し、自分を納得させている。

で、そんな時間に起きて何をするのかと言えば、まずは、もう一度眠ろうとがんばる。そうこうしているうちに、毎日午前0時にアップしている随筆の推敲を思いつく。気が向けば起きて直し、ふたたびベッドに入る。不思議と推敲を思いつくのは、ベッドのなかと運転中がほとんどだ。

それから朝食のメニューを考える。味噌汁の具は何にしようか、魚を焼くか、卵を焼くか、納豆にするか。

「あ、メザシ解凍するの忘れた」

起きだして、メザシを解凍し、ふたたびベッドに入る。

それでも眠れないと、ストレッチポールに乗ったりもする。ストレッチポールに乗ったあとはよく眠れるとは、ヨガの先生曰く。

「泥棒が入ってきたら、驚くだろうな」と、ひとり笑う。

キッチンの暗闇で、冷凍庫からメザシを出す女。忍び込んだリビングの床で、ストレッチポールの上で仰向けになっている女。ふ、ふ、ふ、ふ、ふ、ふ。

そして、ようやく考える。

「今日は、何をかこうかな」

そう考えるとき、瞼の裏に広がるのは、乳白色に光る道のようなものだ。ミルキーウェイと勝手に名づけている。

その話を友人にすると、考えるべきことがあるっていいね、と言った。

「余計なことを考えないで、済むもん」と。

そのとき彼女は、家族のことで悩みを抱えていたのだと思い当たる。

 

先週、88歳になる父が肺の手術をし、入院している。

手術はぶじ成功し、その後順調に回復しているのだが、朝早く目覚めるわたしよりも、さらに長い時間ベッドに居なくてはならない。ずいぶんと気弱になっているように見えたが、ベッドにいる時間が長いということは、余計なことを考えてしまう時間がたっぷりとあるということなのだろう、とも思う。

そう言えば、今年心臓の手術をした義母は術後、集中治療室で短歌を8首読んだとうれしそうに言っていた。父が楽しく考えられること、探してみようか。

cimg1120父が入院している病院1階にあるカフェです。ハロウィンですね。

cimg1115松ぼっくりや毛糸などを使った南瓜が、お洒落です。

cimg1117クリスマスツリーのように、オーナメントが下げてありました。

cimg1116はりねずみくんもいます。ハロウィン、どこでもにぎやかになりましたね。

COMMENT

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  1. papermoon より:

    さえさん、おはようございます。

    私も早起きですよ~!
    主人が朝早く出勤するので私も5時前には起きてます。
    でもこれが習慣づいてしまって週末も早く起きてしまうんですよね。
    今、朝活という言葉が流行ってますが、朝活すると人生変わるそうです。
    なんだか楽しそうなので私もいろいろと朝活したくなりました。
    どんな風に人生が変わるのでしょうね。

    そして、さえさんのお父様の一日でも早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

    • さえ より:

      papermoonさんの
      こんにちは~。父のこと、ありがとうございます。順調に回復はしているようです。
      今年は自分以外のことで病院に通うことが多いです。

      そっか、朝活ですね。
      そう考えると、丑三つ時に起きるのも、いいかも(笑)
      わたしも楽しく有効な朝の時間の使い方、考えてみますね♩

  2. ぱす より:

    こんにちわ。
    早起きですね。静けさの中、ひとりだけの時間を、楽しめる絶好の機会!と、割りきればいい時間ですね。

    推敲。楽しい作業でしょう。はりねずみさんのエッセイを拝見していると、書きたい事が溢れてくるような喜びに満ちている感じがしますよ。

    お父様、回復されているご様子。良かったですね。
    ご高齢ながら、手術に耐えられましたね。
    病院にいると外の世界と隔離されたように思いますよね。せめて食事だけでも季節感をと、工夫されていたりハロウィンの飾り付けも、病院の心遣いが感じられますね♪松ぼっくりのパンプキン。となかいと、そしてはりねずみ♪センスがいいですよね。雑貨店みたいです。

    どうぞ、お父様お大事に。

    • さえ より:

      ぱすさん
      こんにちは~。
      父のこと、ありがとうございます。東京には弟と妹がいるので助けられています。父も心強いと思います。お年寄りが大半の病院なんですが、お洒落なんですよ~♩

      朝の時間も有効活用しようと思えば、早すぎる早起きもいいかも知れませんね♩
      エッセイのこと、ありがとうございます。毎日更新も5年目に入りましたが、かきたいことはいっぱい。何でもない毎日にも小さな出来事はたくさんありますよね。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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