馴染みのガソリンスタンドのまえにコイン洗車機が出来てから、自分で気軽に洗車できるようになった。きのうもひとり、機械にコインを入れ洗車した。
夕闇迫る時間帯で、洗車場にはわたしひとりだけ。常駐しているおしゃべりなスタンドのおじさんも不在だった。
ここのスタンドには、ふたり、わたしに愚痴ってくるおじさんがいる。おじさんといっても、年下かも知れない。寒すぎるとか暑すぎるとか、健康診断の数値が悪かったとか、洗浄機で手にマメができたとか。わたしは、どこへ行ってもけっこう愚痴をこぼされる。こぼしやすいものを持っているのだろう。
さて。洗車機のなかでエンジンを止め、自動的に車が洗われていくのを待つわけだが、そのとき感じる違和感が好きだ。自分は止まっているのに、周りで機械が動いていることで、まるで突然バックしたような気分に陥る。それが好きなのだが、もうひとつ好きがことがある。
きれいに洗われていく車のなかにいると、自分まできれいになっていくような気がするのだ。それは外見の美ではない。内面だ。
この門を通ったら、心がリセットされる。そんな感じ。
そんなことがあるわけはないんだけど、もしかしたらこの洗車機が異空間と通じていたりして、ヒトにはわからないパワースポットだったりだとか、そんなことだって絶対にまったくあり得ない、ってわけでもないんじゃないかな。
洗車したばかりのマイカーと夕刻の八ヶ岳。
きのうの夕方は、シルエットになった八ヶ岳と雲の競演が素敵でした。
南アルプス連峰の甲斐駒ケ岳もいい感じ。
これはきのうの朝の八ヶ岳。雲ひとつない。
最高峰赤岳です。
螺旋のような姿の権現岳。
わたしと電柱の影と一緒に。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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