CATEGORY

BACKNUMBER

OTHER

はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

コージーコーナー

もう五度目になるのであまり気にならなくなったが、やはりまた憑いていた。

そういうものが憑くと、肩のあたりに何やら乗っているような気配がしたり、頭が重くなったりするものかと思っていたが、何ひとつ普段と変わることはない。どこの誰が憑いているかもわからないが、いずれにせよかつて生きていた誰かの霊であるらしい。

 

やっかいなのは、彼らがわたしのなかにある痛みを好むことだ。悪気はないのかも知れないが、生きている人間にとってはマイナス要素となるものに魅かれる体質を持っているようだ。

「憑かれやすい性質(たち)なんだな」

あまり気持ちのいいことではなかったが、性質と言われると受け入れざるを得ないような気がした。

五十肩の痛みがひどく通っている気功整体の先生は、彼らが成仏できるよう祓ってくれる。そして彼らの成り立ちを、わざとぼかして説明する。具体的なことは知らない方がいいそうだ。

「憑いたら祓えばいいんだから、気にすることはない」

祓ってもらった後もまったく自覚がないので最初は半信半疑だったが、三度目のときだった。無自覚のままに、しかし祓ってもらうと自分でも不思議なほど舌がなめらかになり、ほがらかに世間話などを始めて驚いた。そのとき初めて、彼らのほの暗さのようなものを感じ、以来、信頼し素直に祓ってもらっている。

 

怖いとか気持ち悪いとか思うことはない。ただ、憑かれやすい性質であることを知り、自分のなかにある空洞のような場所とそこにある椅子について考えるようになった。

入りやすいカフェというものは、入口が広く、店内が明るく見えて風通しがよく、清潔感があることはもちろんだが、整然とし過ぎず温かみが感じられるものらしい。

たぶんわたしの空洞は、彼らが入りやすい造りになっているのだろう。ふらふらと空洞に魅かれ、入りこみ、いい具合の椅子に腰かけてしまう見知らぬモノたち。わたしの空洞が彼らにとってのコージーコーナー、居心地のいい場所となっているのだとしたら、そんな彼らを責めることはできないように思えてくる。

 

人間というものは、死してなおどこまでも自分の居場所となる居心地のいい場所を求め続けるものなのか。

CIMG1788市内の『三分一湧水公園』に咲いていたヤマボウシです。

CIMG1770ムシトリナデシコは、今あちらこちらに咲いていますね。

CIMG1781クリンソウかな?

CIMG1766ムラサキツユクサも、咲いていました。

 

 

 

COMMENT

管理人が承認するまで画面には反映されません。

CAPTCHA


PROFILE

プロフィール
水月 さえ

随筆屋。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

夫が営む広告会社で経理を担当。

2012年から随筆をかき始める。

 

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。

 

『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

随筆かきます。

 

依頼はメールフォームからお願いします。

ご意見などのメール

CATEGORY

カテゴリ

BACKNUMBER

バックナンバー

CALENDAR

カレンダー
2018年12月
« 11月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

COPYRIGHT © 2016 HARINEZUMIGA NEMURUTOKI. ALL RIGHTS RESERVED.© 2016 HARINEZUMIGA NEMURUTOKI.