コンビニで、入口のドアを開けようとしたら、出てくる男性がいた。
観音開きのドアには「押す」と大きな文字で両側にかいてある。しかし彼は、店のなかにいたのに押して出てきた。「引く」ところを押して出てきたのだ。
だからといって、ぶつかったわけではないし、たいしたことではない。
「あ、おじさん間違えてる」と思うだけだ。
だが買い物をして、いざ自分がなかからドアを開けようとすると、なんと内側にもしっかりと大きな文字で「押す」と両側にかかれていた。どちらにも開くタイプのドアだったのだ。コンビニのドアは、こういうタイプも多いと思うが、外側に「押す」とあったらたいてい内側には「引く」とある。両方から「押す」ことになったときの衝突を避けているのかも知れないが、「押す」ところを「引く」と、ドアが傷むのかもとも思っていた。
どっちでもいいんだ、と思うと、開放的な気分になる。ドアは傷まないのだ。
家を建てるときに、トイレのドアを外開きにするか内開きにするか、設計士さんと話したのを思い出す。外開きにしたのは、なかで人が倒れたときに救出しにくいという話を聞いたからだ。病院のトイレなどは、だから外開きになっている。玄関のドアは、たしか外開きの方が雨水が侵入しにくいから外開きにしたのだったと思う。
コンビニも含め、お店などでは内開き、つまり押して入るドアが多いのだとか。お客さんを招き入れるためだと聞いたことがある。たしかに押して入る方が入りやすい。心の扉も、開きやすくなりそうだ。
だけどあのコンビニ。「押す」人同士で衝突したりしないのかな?
まあガラス扉だからぼーっとしていなければ、だいじょうぶだとは思うけど。
寒いからって縮こまっていないで、ドアも心の扉も開いて、外に出ようか。
我が家の玄関のドアです。取っ手は、設計士さんが山で拾ったという枝です。
内側にも、しっかりした取っ手がついています。だから、お客さんは間違えて、内側に引こうとしちゃうんですね。多いんです、引く人。
庭では今、雪柳がきれいに紅葉しています。
隣りの林から落ちてきた葉っぱも、すごい量だなあ。
南天の葉も実も、真っ赤になってきました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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