パッとしない日、というのがある。
どんよりと曇った空から小雨が降ったりやんだり。どしゃぶりほど憂鬱にはならないが、すかっと晴れることは期待できない。
夫を駅まで送り、手話サークルまでの1時間をつぶそうとコンビニで温かいお茶を買うが、これがまた微妙にぬるい。
信号は、いつも黄色。進もうか止まろうか迷いながら、結局止まる。
車窓から見える紅葉の色も、冴えない。今年は秋の長雨の影響で、赤く染まる葉が少ないという。
そんなとき、ふと電線のカラスが目に留まった。
2羽が、何やら仲睦まじく、向かいあっている。
「あのさ、きのうね」
「ふんふん、なになに?」
などと、他愛ないおしゃべりでもしているかのように見えた。
あ、と思う。
いつもは道の真ん中にでんと居座り、ぎりぎりまで車を避けようともしない姿にふてぶてしさを感じたり、歩いているときには、いつ襲ってくるかも知れない空恐ろしさに警戒したりするだけの野鳥だ。可愛いと思ったことはない。
しかし彼らにも、家族がいたり友がいたりする。
そんな一瞬を、垣間見たのか。もしかすると、あまり人には見せないシーンだったのかも知れない。
そう考えたとき、冴えない気持ちは消えていた。
パッとしない日にも、何かしらの出来事が隠されている。
『日日是好日』の「雨の日には雨を聴く」みたいに、聴こうとしなければ聴こえない音があり、見ようとしなければ見えないものがあるのだ。
2羽のカラスは、それをふたたび思い出させてくれた。
手話サークルに向かう道すがら。街路樹が紅葉していました。
信号待ちでのぞいたサイドミラーにも、紅葉した街路樹が映っています。
コンビニのイートインには、造花が飾られていました。何でもないことですが、飾った人や飾ろうと思った人がいるんだよなあと思うと、ホッとした気持ちになります。
サイドミラーに映った街路樹はアメリカフウでしょうか?
フウって楓と書くんですよね。
我が家の近くにもこの木があって見に行きたくなりました。
映画の言葉、いい言葉がたくさんありましたね。
原作も読まなくては!
hanamomoさん
サイドミラーに映った樹、名前は知りませんでした。今週手話にいくときに、じっくりみてみますね~
アメリカフウ、アメリカ風みたいでおもしろいですね~
『日日是好日』原作もぜひ読んでみてください♪
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。