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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

人は顔をぶつけたときに何を思うか

正面衝突した。

たいしたことではない。家のなかで、顔からドアにぶつかっただけのことだ。

だがその衝撃は、額を傷つけ、右目のコンタクトレンズを落とし、鼻に打ち身を残した。顔の前にあった左手もすりむいた。

「い……痛……い」

声も出ないほどのショックだった。

「なんでこんなことに!」

ルンバを通行止めにするために、いつもは閉めていないドアを閉めていた。ちなみに閉めたのは自分である。

「ルンバなんか、回さなきゃよかった!」

以前にも柱に顔をぶつけたことがあり、そのときはお岩さんのように腫れた。

「よりによって、明日、東京本社に出勤だっていうときに」

ぐったり疲れて、落ち込んだ。

「疲れが出たのか、歳だってことなのか」

特に鼻の打ち身がひどく痛んで、落ち込みながらも、すぐに冷やした。

「わたしって、意外と鼻が高かったってことが証明されたな」

ただただ痛みに耐え、横になった。

「夕飯何食べようかな」

 

さて。人は顔をぶつけたときに何を思うか。

その1 原因究明の心理

「なんでこんなことに!」と究明してもしょうがない原因を突き詰めたくなる。ちなみに、しらふだったし、昼間で明るかった。

その2 責任転嫁の心理1

「ルンバなんか、回さなきゃよかった!」

掃除をサボりがちな自分のことは棚に上げて、こともあろうにルンバを回したことに原因があったかのような言い草だ。

その3 責任転嫁の心理2

「よりによって、明日、東京本社に出勤だっていうときに」

事故は、よりによって起こったわけではない。まるで今日このときを選んで起こした、神とか運命とか、そういうもののせいにしようとも試みている。

その4 納得したい心理

「疲れが出たのか、歳だってことなのか」

とにもかくにも、原因はここだというところに落ち着かせようとしている。

その5 プラスに転化させようとする心理

「わたしって、意外と鼻が高かったってことが証明されたな」

額がすりむけているのだから、そんなわけがあるはずもないのに、何かひとつでもプラス面を探そうとしているのが、いじましい。

その6 現実逃避の心理

「夕飯何食べようかな」

とにかく忘れようと必死だ。

 

というのは、1週間前の出来事。すぐに冷やしたのがよかったのか、腫れずに済んだ。経験者としてアドバイスできることがあるとしたら、あれこれ言わず、すぐに冷やす。これだけかな。

っていうか、顔ぶつけたことある人、いる? とほほのほ。

CIMG9791翌朝はひとりご飯だったのもあり朝食をサボって特急あずさでサンドイッチを買いました。へえ。日本初の駅弁って『大船軒』のサンドイッチだったんだ。

CIMG9796ハムとチーズだけのシンプルなサンドイッチ。マーガリンの味がなつかしい。

CIMG9934

働くルンバ。「ぼくのせいじゃないよ~」

COMMENT

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  1. 悠里 より:

    何はともあれ、大したこと無くて良かったですね。ちょっとした油断で思いもよらない事態にーー、特に1人の時には大変です。私はそそっかしいので家族から特に注意喚起されているのですが、細かい生傷は絶えないといった状態です。料理中によろけて菜箸で目元をついた時は、何日か通院しました。瞬間的に目をつむったので充血だけでしたが、ヒヤッとしました。何かあると、それを反省材料にするしかないですね。時々心に栄養を与えて行きましょう。

    • さえ より:

      悠里さん
      ありがとうございます。
      ほんと、そそっかしくて嫌になっちゃいます。
      でも悠里さんもですか?ちょっとうれしいです。
      目に菜箸は危なかったですね。
      そうですね。反省材料にするしかないですね。
      おたがい気をつけましょうね♡

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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