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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

手話を始めて

ひと月ほど前から、週に一回、手話教室に通い始めた。

まだ、ほんの少ししかできないけれど、新しいことを覚えていくのは楽しい。覚える先から忘れてもいくのだが、気長に続けていければと思っている。

 

通い始めて間もない今月の初めのこと。甲府駅前広場で「耳の日手話まつり」があるという。和太鼓や劇、高校生と幼稚園児の手話コーラス、「NHKみんなの手話」に出演している善岡修さんの講演などがあるらしい。

「まだ手話ぜんぜんできないんだけど、行ってもいいのかな」

そう思っていると、

「わたしも、椅子のひとつでも運べればいいと思って行くんだ。楽しいよ」

教室の先輩が、言ってくれた。

そのくらいならと、楽しみ半分で出かけた祭りは、とても新鮮だった。

聴覚障害を持つ人が叩く和太鼓は、目で見て、振動を身体で感じてリズムをとるのだそうだが、寸分の狂いもないようにわたしの耳には響いたし、手話劇には、身体じゅうで表現する躍動感やひとりひとりの表情の豊かさに驚かされた。

 

けれどわたしはと言えば、聴覚障害を持つ人と会った途端、どうやって挨拶すればいいのか頭のなかが真っ白になってしまって、手がまったく動かなった。

「おはようくらい、覚えたのに」

ちょっと落ち込み、そうして落ち込むこともまた新鮮に感じた。

 

このあいだ、夫が言っていた。

「日本に来た外国人が英語でぺらぺら話しかけてきたら、こっちは英語話せないのにとか、わかんないよとか思うけど、『こんにちは』を間違えて『ありがとう』って言ったって、挨拶したいんだって気持ちは伝わるよね。だから、スペインではスペイン語を、フランスではフランス語を、日本では日本語を、少しでもしゃべろうとするのって、すごく大切だと思うんだ」

英語が世界共通語ではあるが、スペイン語やフランス語を国用語にしている国の方が、じつは多いのだと知ったそうだ。

 

それを聞き、そうだ、と思った。

言葉って、言語って、何かを伝えようとする手段なんだ。何でもいいから表現する。なんとか伝えようとする。大切なのはそっちなんだ、って。

「次は、間違ってもいいから、挨拶してみよう」

 

「始まりは半分」という諺が、韓国にはあるそうだ。「何かを始めた時点で、その半分は成し遂げられたようなものだ」という意味らしい。半分だなんて、もちろん思えないけれど、とりあえず始めることはクリアしたようである。

CIMG48023月5日(日)「耳の日手話まつり」は、「甲州ろうあ太鼓」で始まりました。

CIMG4861高校生と幼稚園児たちの手話コーラスは、となりのトトロの「散歩」。

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手話のみの無音劇も、上演されました。

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鶴ならぬ「鳥の恩返し」表情豊かで楽しい。

CIMG4976楽しく笑って人生を過ごす山梨手話の会理事長による「PPAP」手話パフォーマンス。この手話は「P」です。

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PROFILE

プロフィール
2016-10-02-11-07-59-1
水月 さえ

随筆屋。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

夫が営む広告会社で経理を担当。

2012年から随筆をかき始める。

 

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。

 

随筆かきます。

依頼はメールフォームからお願いします。

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