韮崎駅へ行くときに通る道から、遠くに赤い陸橋が見える。
以前気づいて、ああ、あの陸橋ここから見えるんだ、と驚いたのだが、実際に確かめながら通ってみて、ふたたび驚いた。
「ああ、あの陸橋」と思っていたのは、もうひとつ先の違う陸橋だった。
そうだと思いこんでいたもうひとつの陸橋からは、韮崎駅のひとつ先の塩崎駅近くのショッピングモールが見えた。わりと小さめで、カーブがきついその橋は、JRの駅ひとつ分先にあるというわけだ。
見えていた方の陸橋は、大きくまっすぐ伸びている。考えてみれば、大きな陸橋だからくっきりと見えたのだろう。
運転しながら渡っているときには、橋の大きさなど気にもかけなかった。それに加え、大きい方の陸橋は、橋というよりただ道路が伸びているような風体で、小さな陸橋の方が、橋然としている。アスファルトの数十メートルもある大きな橋と、板を組んで作られた吊り橋となら、吊り橋の方がより橋を渡ったという感じがする。大袈裟に言えば、そんな違いが錯覚を引き起こした原因とも言える。
見えてきた気がした。
橋が、ではない。方向音痴の行動の芯となる部分が、である。
①橋というキーワードで、同じものだと決めつける。
だが、橋はひとつではない。
②これだ、と思った瞬間に、ほかの橋の存在を忘れる。
そして、
③大きさの認識が甘い。というか、遠くなんだから小さく見えて当たり前と高をくくり、実際の大きさを考えてみようともしない。
方向音痴の作り方指南、あと30個くらいはありそうだけど、とりあえず、塩崎のショッピングモールから小さい方の橋が見えるかどうか、ぜひ確かめなくっちゃ。さらに見えてくるものが、あるやも知れない。
小さい方の橋『坊沢橋』です。
カーブしているので、こんなふうに橋の上から写真にも撮れます。
真ん中の遠くに見える長方形の2つの建物が、ショッピングモール。
大きい方の韮崎から見える橋です。『東川』は川の名前だよね?
直線コースです。けっこう長いです。みんなスピード出してます。
橋の横のラインは、撮れません。南アルプスが見えています。
歩きながら「韮崎ほんとに見えるの~?」と、ぶつぶつ。
下を覗くと、怖い! 吸い込まれそうで、足がすくみました。
あ、見えた! 韮崎の街。信号待ちしてる自分は……?
甲斐市のスーパーの駐車場から観た富士山です。
薬局の店頭に、雪かき用のスコップが並んでいました。きのう、スタッドレスに替えました。初雪、いつ降るのかな?
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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