今年はもう、雪が積もる心配はなさそうだ。
一昨日降った雨も、やわらかく温かだった。三寒四温の温が増していくのを、日々感じるこの頃である。
夕方のその雨のやわらかさに誘われるようにして庭に出た。クリスマスローズがしっとりと濡れている。葉も花も身体じゅうで雨を受け止めているかのようだ。
最近になって、気づいたことがある。
わたしは多すぎる情報に慣れることが、難しいタイプの人間のようだ。
世のなかで何か悪いことが起こると、それをまるで自分が引き起こしたことのように、罪悪感を覚えてしまう傾向がある。
それが家族や会社のことなら、なおさらで、自分がしたこと、しなかったこと、言ったこと、言わなかったこと、その他諸々の一切合切が、自分のせいで起こったことのように感じてしまう。
そしてこれまで、みんながみんなそういう感覚を持っているのだと誤解していた。だから様々なシーンで、あれ? と思うことがよくあった。
違うんだ、と気づいたとき、周りの風景が一変して鮮明に見えた。
雨が降っている。それはわたしのせいではない。
落ちてきた小さな雨粒を身体じゅうで受け止めて、温かなやさしい雨だと感じる。それは、わたしのせいである。
起こったことは、雨のように、ただ身体じゅうで受け止めればいい。そして受け止めたそれを、どう感じるかは自由なのだ。
雨は、『空の名前』(光琳社出版)によれば、こう説明される。
雲から落下する水滴、または水滴が雲から落下する現象
そのままのものを、そのまま受け止める。簡単なことほど忘れやすいんだよね、きっと。
雨のなか咲いているクリスマスローズたち。暖かな雨を感じているのかな。
白い子も、いっぱい咲いて。まだこれから咲く蕾も。
紫に薄いグリーンが入った花は、ふきのとうと一緒に芽を出していた子です。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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