久しぶりに、玄関の模様替えをした。
夫の誕生日は6月だったのだが、ひと月過ぎた頃に欲しいものがあるというのでプレゼントすることにした。ふたり馴染みの雑貨屋の床に置いてあった、大きな壺だ。織部焼のような緑も重厚なら、ごつごつした手触りで分厚く、実際にずしりと重みもある。
それを玄関に置いたのだが、雑多なものが増えていて、壺はいつまでたっても異邦人のように居心地の悪そうな表情をしていた。
そこで、模様替えである。
壺を中心にと、考えてみた。
すると、するすると必要のないものが浮かび上がり、一気に断捨離することができ、すっきりとした。
いつもそこにある物は、自然過ぎて目に入らなくなっているようなところがある。ごちゃごちゃしていることにさえ気づかなかったりもする。
そんな自分のなかに置き忘れた意識を呼び覚ますためにも、定期的な模様替えは有効である。
いろいろ処分して、すっきりした玄関。
暖簾も、夏バージョンの藍染め。
夫が選んだ、織部のような色の壺。
こちらは、家を建てたときに設計士さんがくださった火鉢。
出窓には、今庭いっぱいに咲いているテッポウユリを活けて。
花器の横にたたずむオブジェ「沈思」。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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