12の句会の兼題は、どちらも冬の季語「セーター」と「冬の夜(よ)」。
「セーター」は生活の季語で、「カーディガン」「ジャケツ」などの傍題がある。
先生が挙げた例句。
セーターの男タラップ駈け下り来 深見けん二
飛行機のタラップを駈け下りるセーターの男。鮮やかな洒落た柄のセーターか。プライベートな旅は、おそらく南の方だったのだろう。
そんな鑑賞を披露してくださった。
セーターを通して、街などの場所を描く俳句が多く、どんなセーターか、どんな人が着ているのかを読み手のなかで明確にすることが大切とのこと。
「冬の夜」は時候の季語で、傍題は「夜半(よわ)の冬」「寒夜(かんや)」など。
物おちて水うつ音や夜半の冬 飯田蛇笏
何かが水のなかに落ちた音が、真夜中に響いた。「水うつ音」との共鳴に鋭さを感じるだけに季語は「夜半の冬」でなくてはならない、そうだ。
くちびるに湯飲みの厚み冬の夜 大井雅人
こちらは、「冬の夜」の象徴的な物として「湯飲みの厚み」を置いた句だという。
冬の夜は寒気が厳しく物寂しいだけに、外から帰って灯火を囲む団欒のひと時などには、心身が温まる思いがする。
『俳句歳時記・冬』より。
句会にも、空気の鋭い冷たさを詠んだ句と、それと対比する部屋の暖かさを詠んだ句が出揃っていた。
わたしの句は、こちら。
独り挽くケニアの豆や夜半の冬
「独り」と「夜半の冬」に静けさを感じ、そこに豆を挽く音が響く。ケニアという暑い土地に思いを馳せ、もしかしたら世界情勢への一抹の思いもそこには含まれているかもしれない。などと感想をいただいた。
1月の兼題は、新年の季語「去年今年(こぞことし)」と冬の植物の季語「冬木」の傍題「冬木立」。
1年、あっという間だったような気がする。
「AKITOCOFFEE」で購入し、何度か飲んだケニアの豆。ひと言でいうと個性的なんです。今売っているケニアには、こんな説明が。
ブラックティー、グレープフルーツ、プラムやカシスのような果実味。ジューシーで甘いケニア。
最近は、もっぱらホンジュラスの豆です。
きのうは、夕方ひとり分挽いて、ゆっくり淹れました。
京都を旅したときに夫と選んだマグカップ。もう20年ほど前になるかな。
こんばんは。
さえさんの句、とてもいいですね。
寒い日本の冬とかなり遠い暖かい地ケニアの対比も素敵です。
冬の夜はコリコリジリジリと豆を挽く音も響きますね。
冬の夜の静けさが漂っています。
京都で求めたというマグカップで頂く自分のためだけの珈琲、美味しかったでしょう。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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