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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

『「型」で学ぶはじめての俳句ドリル』

エッセイサークルで勧められ、俳句を勉強してみることにした。

「プレバト!!」の俳人夏井いつきの本は多数出ているが、「ドリル」ならわかりやすそう、と手に取った俳句入門書の1冊目がこれ。

俳句についての知識が全くないわたしに、「俳句」なるものが、水を飲むようにするすると入ってきた。

俳人おふたり、岸本尚毅×夏井いつきの対談方式とドリルで構成されている。

 

たとえば、俳句には2通りの方向性があるという。

①意味を伝える、裏の意味もある、人生観の表明になるような句。

 蟇(ひきがえる)誰かものいへ声かぎり 加藤楸邨

②頭を空っぽにして、見たままの俳句を作る。

 古池や蛙飛びこむ水のをと 松尾芭蕉

夏井 「説教垂れたい、理屈垂れたい、何か一言居士みたいな人は『蟇』方向に行きましょう。蛙がチャポンと飛び込んだことが俳句になるのなら、楽ちんじゃない? って思う人は『蛙』派に行きましょう」みたいな。

岸本 あなたは「蟇」派ですか、「蛙」派ですか。

夏井 そういうふうに言ってもらったら、「古池」でホッとしてない人たちは、「あ、そうか、なんか述べてもいいエリアがあるのだ」って思うし、「なんだ、蛙が飛び込んだでいいのかよ。それなら、いくらでも書けちゃうじゃないか」みたいな俳句を小馬鹿にしながら近づいてくるような人もOKみたいな。

そして、ドリルは素材の似た次の6句のなかで好きな句を考える。

貌(かお)見えてきて行違ふ秋の暮  草田男

まつすぐの道に出でけり秋の暮  素十

遙にも彼方にありて月の海  草田男

白波やうちひろがりて月明かり  素十

降る雪や明治は遠くなりにけり 草田男

雪片のつれ立ちてくる深空かな  素十

たとえばわたしは、白波やが好き。そんなメモ欄も用意されている。

そして、診断へ。

「素十の句は素っ気ない、草田男のほうが言いたいことがよくわかる」と思う人もいるでしょう。「もの言いたげな草田男の句より、たんたんとした素十の句に惹かれる」という人もいるでしょう。

草田男が「蟇」派、素十が「蛙」派です。

あ、わたし「蛙」派か。となる。

そんなふうに始まって、ドリルは30まであり、ドリル3からは穴埋め問題が続く。

ドリル13  「夫婦して○○○○○○や○○の春」

これ、どんなシーンを思い浮かべる?

穴埋め問題のいくつもの○を埋めていく俳人おふたり、岸本尚毅×夏井いつきの奇想天外な発想に、凝り固まった自分の頭を認識することとなった。

俳句って、おもしろい!

とても楽しい読書体験でした。帯にはこうあります。

これからはじめる人も駆け出し俳人も、1回やれば俳句が書ける!

2回やれば俳句がわかる! 3回やれば俳句が変わる!

COMMENT

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  1. ユミ より:

    プレバト見ていていつも思うのは、俳句のコーナーはハードルが高いです。
    私には俳句のセンスは皆無です。
    でもこのドリルは面白そうですね。
    頭から俳句に取り組むんではなくて、別の方向から攻めるみたいな感じですね。
    苦手意識が強いけれど、このドリルちょっと気になってます。
    今借りてる本を読み始めたので、その次にでも読んでみようかな。(^^)v

  2. さえ より:

    >ユミさん
    ユミさんのブログを読んでいると、言葉選びが美しいな~そして優しいな~と思います。
    でも、俳句難しいですよね。
    言葉選びの妙や、知らない季語なんかを知っていくのが楽しそうだなと、来月から半年、月イチの短期講座に通ってみることにしました。
    その前に、何冊か読んでみようと思って。
    ユミさんも、ドリル、やってみてください(^_-)-☆

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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