たまに産直野菜を売る店に行くと、知らない野菜が売っている。
先日は、「金時草」という菜っ葉を始めて買ってみた。葉が肉厚だったので、しっかり目に茹でてナムルにした。シャキシャキ感が残っていて美味かった。
「きんときそう」と読むのだとばかり思っていたが、調べれば「きんじそう」と読むらしい。金沢の伝統野菜で「加賀野菜」のひとつだそうだ。
だが、ほかの地域でも作られていて、それぞれ名前が違うのだ。愛知では「式部草」、沖縄では「ハンダマ」、熊本では「水前寺菜」と呼ばれている。
今では流通や情報共有も進んでいるが、そこでつけた名前で呼ばれることが普通だった頃から作られていた野菜なのだろう。
手話教室で聞いたことを、連想した。
聴覚障害を持つ人は、昔は手話を使うことを禁じられていたそうだ。学校では、口の形で表現する口話も含めてしゃべる訓練をしていたという。けれど、手話を使ってコミュニケーションをとる方が自然で、寮に帰るとみな手話を使っていた。その頃は聾学校も少なく、寮生活を余儀なくされる子どもたちが多かったため、その寮ごとの手話ができていったのだ。だから、当時は寮が違うと通じない手話も多かったらしい。
こうして考えてみると、細長い日本列島。方言はあれど、昔から同じ言葉でしゃべっていることが不思議に思えてきた。
すべて北杜市で採れた野菜です。安値というのがまたうれしい。
調理法もかいてあって、親切です。天麩羅やサラダにしてもいいんだね。
葉っぱは肉厚で、柊を連想するような感じです。
油が合いそうだったのでナムルにしました。汁に色が出て、きれいです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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