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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

とんでもなくて何でもないこと

小学生の頃、息子がこっそり教えてくれたことがある。
校長先生のお話の時間に、ある遊びをしているというのだ。神妙な顔をして話を聞くふりをしながら、頭のなかではこんな遊びをしていた。
「あ」から順番に頭にその音がつく言葉を並べていく。「朝」「紫陽花」「アイススケート」「嵐」「あんぱん」という具合に。十並べたら、次は「い」だ。
50音が終わったらもう一巡する。覚えている限り違う言葉を探す。
わたしは、彼を叱らなかった。だってだって、ものすごく退屈なんだもんと訴えているのが判ったからだ。わたし自身子どもだった頃、退屈していた覚えもあった。日々努力し、スティーブ・ジョブスばりのスピーチをしている校長先生もどこかにいらっしゃるかもしれないが、共感する大人が多いのも事実だと思う。
 
さて。息子のしていたことは「とんでもない」ことなのだが、また「何でもない」ことでもある。
彼に負けず劣らず、わたしも言葉遊びは大好きだ。こういう似ているけれど対極にある言葉の両方を当てはめられたりすると、訳もなくうれしくなる。

 

「とんでもない」

①全く思いがけない。常識では考えられない。意外だ。とほうもない。
②(非難する気持ちをこめて)たいへんなことだ。けしからん。
③相手の言うことを強く否定する語。
 「何でもない」
①取り立てていうほどのことではない。どうということもない。
②(「…でも何でもない」の形で)「…ではない」を強めた言い方。
 
「恋はとんでもない偶然から始まる」or「恋は何でもない偶然から始まる」
「いえいえ。とんでもありません」or「いえいえ。何でもありません」
どっちもきちんと当てはまる。そのうえ表裏一体である。対極にある言葉たちが背を向け合わず、ふっとやわらかく微笑み合う。そんな瞬間がとても好きだ。
校長先生のお話以外の時間に、言葉遊び、つらつらと考えてみてはいかが。
cimg2017赤いネイルなんてとんでもないと思っていましたが、挑戦してみたら何でもないことでした。指先からクリスマスっぽくなって、うれしいな♩
 
 
 
 

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  1. ユミ より:

    なるほどです。
    「とんでもない」と「なんでもない」
    <対極にある言葉たちが背を向け合わず、ふっとやわらかく微笑み合う>
    歳を重ね経験を積んだ大人だから、とんでもない事を、なんでもないと思い変えることが増えたような気がします。
    息子さんの言葉遊び、なかなかいいと思いましたよ。
    時間つぶしの時の一つとして覚えておこうと思います。
    ボキャブラリーが乏しいので、他の言葉遊び、ぜひ教えていただきたいです~

    さえさんの今回のネイル、赤が新鮮です!
    しかもチェックだし。クリスマスですね~ キラ☆キラ

    • さえ より:

      ユミさん
      ほんと、そうですね~。年を重ねた今だからそう思えるのかもしれませんね。
      息子はんがつくしりとりもしていましたよ。
      かんたん→たんさん→さんねん→ねんりん、とか(笑)
      ネイル、ほめていただいてうれしいです~♩
      赤は初めて挑戦しました。全部真っ赤にするのは似合いそうもありませんが、デザインを選べば赤もいいですよね。クリスマスですね~☆

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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