もっとも暑いこの時期、夜眠るとき毛布をかけている。
夫は普通に掛布団だが、わたしは毛布のみ。それが軽くてやわらかく、いちばん気持ちよく眠れる。
と聞いて、違和感を覚える人はどれくらいいるのだろうか。
夏に毛布? ありえないでしょう。暑い!
そんな言葉が聞こえてきそうだ。
案の定、宿泊する客人を招くとき、タオルケットの数が足りないから毛布を出そうかと夫に相談したとき、毛布は暑いから掛布団とタオルケットを出しておいて、適当に好きな方を使ってもらおうということになった。夏に毛布をかけて眠るのって、けっこう気持ちいいんだけどなと思ったのだが、気持ちよさというものは個人差が大きい。夏でも湯船につかりたい人とシャワーだけが好きという人がいるのと同じこと。気温の感じ方だってそれぞれなのだ。
だから夏に毛布派も、夏に毛布なんてありえない派も、みんなちがってみんないいと思っているのだが、そんなわたしも高校の夏まではありえない派だった。
高校時代の友人のひとりに、自宅の屋根の上で過ごすのが好きな女子がいた。東京だが40年前にはまだ今のような暑さにはならなかったのだろう。木陰でほかの家や道路から見えない傾斜のなだらかな屋根の上が彼女の隠れ家的スペースとなっていた。そこに座布団を敷いて毛布をかけ、好きな本を持っていって読んだり、お菓子を食べたり、空を見上げたりするのだと言う。
「夏に毛布? 暑くないの?」
わたしも含め友人たちはみな驚いたのだが、彼女は何を言ってるのかわからないといった表情で答えた。
「なんで? やわらかくて気持ちいいよ」
そのとき、わたしのなかの「夏に毛布はありえない」という気持ちはすっと消えた。彼女が心から毛布を敷いた屋根の上の隠れ家を楽しんでいる気持ちが、一瞬にして伝わってきたからだと思う。
40年前の東京にあった屋根の上の隠れ家は、たぶんもうないだろう。だが夏の毛布はいまだわたしに、一度も行ったことのないその場所を思い起こさせるのだ。
何の飾り気もないベージュの毛布ですが、やわらかいんです。
庭に今咲いているのは、濃い青紫の桔梗。
名前に似ず、可愛らしいヘクソカズラ。
アップルミントの花には、ベニシジミがとまっていました。
毎日収穫している茗荷も、花盛りです。
今夜もまた来客あり。夫の大学時代の友人たちに泊まってもらう和室です。
私は冷え性なので薄手の毛布使ってますよ。さえさんのお住まいの地域は、高原気温で朝夕はかなり涼しくないですか? 甲府でも昇仙峡方面では夏でも、掛け布団使っているそうですよまあ、それぞれですね。
それにしても、さえさんのお宅は来客者多いですね。それと、宿泊者も。勿論お部屋スペースも有りますけど。風の吹き抜ける家で、なおかつ人の来る家でなければ栄えないといいますが接待する方も、される方も通じあっているんでしょうね。植物園も、益々癒されます。桔梗いい色ですね、素敵‼
悠里さん
東京に住む友人たちは、やっぱり毛布はありえない派が多いみたいです。
同じ山梨のなかでも、地域によって違うのかも知れませんね。
今年は特に来客多いです。
ちょっとお疲れ気味です。
なのであまり気を使わず、眠くなったらお先に失礼と寝ちゃいます(笑)
桔梗の濃い色、美しいですよね~♡
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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