流行りだというピーコックにしてもらった。ネイルである。
日本語にすると「孔雀」。その羽をイメージしてデザインされたネイルの模様をピーコックと呼ぶらしい。明るい色合いのターコイズと白を選んだので、夏にぴったりだ。
自らの身体に比べて大きすぎる、そして目を見張るほどに美しい尾羽を持つ孔雀は、特別な鳥、とのイメージがある。しかし、子どもの頃に動物園で、一度だけ雄の孔雀が尾羽を広げた姿を見たことがあるが、そのときには、テレビか図鑑かで見ていたのだろう。ああ、こんなもんかと思っただけだった。檻のなかの孔雀は、覇気がないように見えたのだろうか。
それから何十年もが経ち、今の孔雀のイメージは「守り神」である。
孔雀は、その羽の目玉のような模様から百の目を持つとも言われてきたらしい。その多くの目で、見守ってくれる守護の鳥と言われていると聞いた。
だからというわけではないが、何年か前に、とても気に入って買った夏用の帽子が孔雀の羽模様の刺繡が施してあり、お守り代わりに持ち歩いている。
百の目の守護の鳥と聞いたのと、帽子を買ったのと、どちらが先か、もう忘れた。だがこの帽子、旅先で緩い服にもかちりとした装いにも合い、重宝してきた。気づかぬうちに旅に欠かせないアイテムとなっていたのだ。
守られている。そう思えるものが、ひとつでもあると、心強い。お守りは、お守りだと思った時点からお守りになるのかも知れない。
孔雀模様の夏帽子とピーコックのネイル。
この夏、いい時間を過ごすためのアイテムとして、活躍してもらおう。
親指と薬指の模様がピーコックです。もっとたくさんの色を入れる場合も。
お気に入りの孔雀模様の夏帽子です。もう、何年目になるのかなあ。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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