週末、女子会から帰ると夫がサッカーのチームメイトを呼び、ウッドデッキで大バーベキュー大会をしていた。
大人10人子ども3人で、わたしはもともと途中からの参加になるからと、準備も何もかもおまかせで、帰って来て、ただ飲んで食べた。
7歳の女の子と5歳と0歳の男の子を連れてきた若い夫婦がいて、3人とも人見知りもせず楽しそうにしていたが、「何か遊ぶものありますか?」と女の子が礼儀正しく袖を引っ張るので、娘の部屋にあった『ドキドキピザパニック』を出した。
ピザ屋のおじさんが人差し指の上にピザを乗せ、そこにチーズやらサラミやらトマトやらをトッピングしていくゲームだ。ピザとおじさんの指はくっついていないのでバランスが崩れると落ちてしまう。ルールはよくわからないけれど、好きなように遊んでもらった。
さて。翌日静まり返った居間を片づけていて、座布団の下に隠してあるトッピングたちを見つけた。
不意になつかしくなった。
そうだった。子どもは隠すんだよ。自分だけが知っている秘密を持つためだったり、大人には知られたくないことだったり。それって、大人への階段の微かにしか見えない入口なんじゃないかな。いろんなものを隠しささやかな秘密を作るたび、子どもたちはきっと大人になっていくのだ。
『ドキドキピザパニック』です。
一つ乗せると、「わ! 崩れた」がおもしろい。
全部トッピングするのは、なかなか難しいです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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