クリスマスである。
東京で暮らす子どもたち3人それぞれに、プレゼントを送った。イブの夜に枕元に置けそうな小さなものだ。それを箱に入れ、のど飴やクッキーや都こんぶやチョコレートと一緒に詰めた。
「誰かに喜んでもらうって、いいね」と言った父の言葉が耳に残る。
そんなたいそうなことではないが、クリスマスはいい。いつもは忘れていたことを思い出し、誰かのために何かをしようという気持ちになる。
父とて、たいそうな意味で言ったのではあるまい。
思っている誰かのために、そのときにできることをやれればいい。やれれば、自分も幸せだ。そんな感じだ。
広大な世界のなかでは、ほんのちっぽけな自分。大きなことなど、何一つできやしない。だから、思っている誰かのために小さなことを少しだけやる。ほんの小さなこと。ほんの少しだけ。だけど、と最近思う。もしかしたら、それが生きていくってことなのかも知れないなあ、と。
クリスマスの飾りが華やかな街を歩きながら、そんなことを思い巡らせた。
東京で見かけたクリスマスツリーです。シックな雰囲気が素敵。
近づいてみると、林檎も薔薇も小鳥もきんきらです。
離れてみると、シックできれい。近づいてみると、キラキラきれい。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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