8月23日の朝日新聞天声人語にあった「待つことの悦(よろこ)び」という言葉が、ずっと頭の片隅に残っている。
批評家の四方田犬彦(よもたいぬひこ)さんのエッセーに「待つことの悦び」がある。約束の場所に早めに着いて、彼女を待つ。地下鉄の改札から駆け上ってくる姿を、一枚の絵のように想像しながら。心は恍惚感でいっぱいだ。しかし彼女はなかなか来ない。心配はやがていら立ちに変わり、彼女の誠意が疑わしくなる。そして訪れる孤独と絶望。そのあとの彼女の到着は奇跡のようにも感じた。「遅れたことのたわいのない原因を説明する彼女は、なんと美しく、魅力に満ちていることか」
「待つ」という、マイナス要素として扱われることが多い時間を、これほどまでに輝きを放つものに変えてしまうことができるなんて、と感動した。ケータイなどのなかった時代のことではあるのだが。
待つことが苦手ではなく、どちらかと言えば待たせることの方が苦手なわたしは、たぶん他人よりも待ち時間が多い人生を歩んでいる。
誰かと待ち合わるときには、15分は早く着くようにする。娘を無人駅に迎えに行っていた頃も、誰もいない駅で待たせるのは心配で、電車の時間には着くようにしていた。今も、夫を迎えに駅まで車を走らせているが、疲れて帰ってくるのだからと待たせないようにしている。そして、中央線はよく遅れる。待ち時間は、予期せず膨らんでいく。
ふと、子どもの頃の夏休みの一日の予定表を思い出した。24時間を円グラフにして、勉強、遊び、食事、風呂、睡眠などと色分けしてかいた、あれである。
円グラフのなかに「待ち時間」はない。けれど、遊びのなかには友達と待ち合わせて待つ時間も含まれているだろうし、病院に行けば、その時間の半分以上が待ち時間だ。食事だって、おなか減ったあ、少しは手伝いなさいと言いあって待っている時間があったように思う。
待ち時間という時間に色をつけるとしたら、何色にするだろう。
わたしのなかで待ち時間は、やわらかで少し透明がかった薄い黄色のイメージがある。優しい色だ。「悦び」とまでは思えないにしても、誰かを待つ時間のなかには、気づかぬほどの小さなときめきが潜んでいるのを無意識のうちに感じているのかも知れない。
秋の空。青く高くなりましたねえ。濃い青は睡眠時間の色?
田んぼも黄色くなってきました。稲刈りももうすぐですね。
向日葵畑にも、野菜の苗が植えてありました。緑は勉強の色だったような?
ワイン用の葡萄畑。たくさん生っています。
これが赤ワインになるんですね~不思議です。
ススキも、穂先の花を開いています。茅が岳のふもとだけあって、茅(かや)=ススキがあちらこちらに揺れています。
稲刈りまじかの風景と葡萄畑。
秋ですね~。もう心から秋よ、ようこそ!って感じです。それほど待ち遠しかったです。
そちらは、ずっと秋がすすんでいますね。
時差のお話。日暮れが関西はゆっくりですか。違いがおもしろいですね。
その分夜明けがそちらは早いのですね。
私も待つ時間は好きです。待ち合わせには15分くらい前にはスタンバイ。待ち人がどんな感じで現れるのか、わくわくします。最近は、お店の前で待ち合わせというのが、気に入ってます(笑)
ぱすさん
ぱすさんの方はこの夏かなり暑かったみたいですね~待っていた秋。ようやくですね。
田舎の風景は、季節をそのまま伝えてくれるようで、楽しいです♩
時差、そうですね~十分ほどの違いですが、夜明けはこちらの方が早いんですよね~
ぱすさんは、わたしと同じく待つ時間が好きなんですね♩なんとなくそうじゃないかと思っていました♡ケータイやスマホが発達しても、待ち合わせるっていうことがなくなることはないし、これからもいろんな待ち合わせ楽しんでいきましょうね~♡
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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