ぺぺぺ日めくりカレンダーをめくると、よくいろいろなことを思い出す。ほんの些細なことごとだ。
たとえば「朝まで泣くテレビに出演する日」を見て、朝まで泣いた日もあったなあと思い出す。けれど過ぎてみれば、完全に傷が癒えることは難しくても、いつまでもずっとは泣いていられないものだったと今ならわかる。
またたとえば「止まれが動き出す日」には、以前、日本じゅうの「止まれ」という道路標識を「きっと、うまくいく」に替えてはどうかいう野望を抱いたことを思い出した。これはいまだ、いつか実現したいと思っていることのひとつだ。
またたとえば「鉛筆かと思ったらアスパラガスだった日」。
むかし家の電話が黒電話で、もちろんコードレスではなかった頃、電話の横に座って友人と長電話すると、横に置かれたメモ帳やチラシを束ねたウラジロと呼んでいた紙に鉛筆でいたずらがきをしたことを思い出す。意味もなくただ暇つぶしに絵を描いたり、文字をぐるぐる丸で囲ったりした。手が勝手に描いたような不思議な形の文字と絵の混合物ができあがり、ちょっと味のある作品になって感心したりもしていた。
電話が、どの家でもたいてい玄関辺りに1台しかなく、それも太い螺旋状のコードで受話器と繋がれていて誰と何を話しているのか家族に丸聴こえだった昭和な時代の思い出。今の子どもたちは、電話しながらいたずらがきなどしないのだろう。
笑ったり、ほっこりしたり、清々しい気持ちになったり、些細なことごとを思い出したりしながら、1月ももう過ぎていく。
大坂なおみは、先にたたずんでいる後悔が見えたから気持ちを切り替えられたんだよね、きっと。
道路標識の「止まれ」については → 「きっと、うまくいく」
朝まで泣いたこともあったなあ。テレビ出演はしてないけど。
アスパラガスの悲劇ですね。
美しいですね~♩ 明野の朝は凍ってるけど。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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