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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

来年のカレンダー

夫で写真家であるYasuoMaedaが、2020年のカレンダーを作った。

今年2019年に引き続き、「Life is Fun(何でもない日常の大切さに思いを馳せるような人と風景の写真)」のテーマで構成されている。

 

それは、わたしが日々綴っていることと通じ合うものがあり、夫がそういう写真を撮っていたのだと昨年知り、とてもうれしかった。

 

何でもない日常のひとコマ。

たとえばきのうは東京に出ていたのだが、師走の新宿の百貨店でキャリーバッグを転がしながら買い物をし、疲れたのでエスカレーターではなくエレベーターに乗ろうと待っていた。

それがなかなか到着せず、同じように疲れたような顔でたたずむ金髪の外国人男性と、ふたり無言で待っていた。

ようやく開いたエレベーターは、しかし満員で、ふたり同時にやはり無言で行ってくださいと右手を差し出し合図した。

ふっと背の高い彼を見上げると、まいったね、という顔をした。たぶんわたしも同じような表情だっだだろう。そしてやはり無言でふたり肩をすくめた。その瞬間にふたり笑顔になる。

言葉は通じなくとも、エレベーター待ちのムダになった時間とやり切れない気持ちを共有でき、気分はいくらかマシになっていた。

そんな何でもないひとコマが、生きていればそこここにあって、通り過ぎるように忘れ去っていく。

忘れ去っていくけれど、そんな何でもないことごとで人は構成されているのかも知れないとも思うのだ。

 

☆カレンダーは、1,000円(税込み・送料別)で販売しています。ご連絡いただければお送りいたします。

表紙はスペインのガステルガチェ。1月は、ポルトガルの教会の壁画アズレージョです。

新宿で購入した来年のカレンダー。左は居間にかけて予定をかきこむ用。モネと卓上は、2つのトイレ用です。

COMMENT

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  1. ユミ より:

    エレベーター待ちの一コマは、長年連れ添ったお二人だからの一コマでもあるんですね。
    私も主人と、笑うツボが一緒だと思う事もよくあり、嬉しくなるんですけど、これも性格や好みよりも夫婦の年月の賜物なのかなって思います。
    今日も友達と、これから先、寄り添う人がいないのは寂しいねって話したところです。
    ご主人を亡くされた友達もいるので、夫婦間での何気ない日常の何気ない事ってやっぱり無いよりは合った方がいいです。
    いや、何気ないけどすぐ過ぎて忘れても大切ですよね。
    夫婦って色々あるけど、お互いありがたいですよね。

  2. さえ より:

    >ユミさん
    エレベーター待ち、このときはまったく知らない外国の方と一緒だったんですが、夫婦でもそういう瞬間、ありますよね~
    夫婦で笑うツボが一緒っていうの、大事ですね。逆に違っていたときも、それが驚きや新鮮さでおもしろがれるし。
    これから先寄り添う人ですか~
    こないだ「あさイチ」で、「卒婚」という言葉を初めて知り、なにか釈然としない気持ちになりました。夫婦で共有できる時間もやっぱりないよりはあった方がいいとわたしも思います。

  3. 宇井加美 より:

    ねずみ年の私が来年の年賀状のヒントにと
    11月に出かけたポルトガルとねずみで検索して出会いました。私もカレンダー(今年ポルトガル)を水彩画で20年間作成してます。

  4. さえ より:

    >宇井加美さん
    わ~、うれしいです。コメントありがとうございます♩
    水彩画のポルトガル、素敵でしょうねえ♡何しろ、色が綺麗な街ですものね。
    わたしは、2月から3月にかけて1週間ほどリスボンとポルトとモンサントを旅しました。
    アズレージョや石畳が美しかったのを思い出しています。
    旅が好きなので、ぜひまた遊びにいらしてください。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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