きのうの土曜、サッカーを観戦した。
お隣りは韮崎市中央公園での高校サッカーの予選試合である。誰が出ているわけではないが、息子の母校でも応援しようかと観に出かけたのだ。
入場料もチケットもない。ただ観て、楽しむだけ。気ままな休日にはぴったりだ。何しろ天気がいい。季節もいい。山は紅葉を始めている。
ただひとつ、この季節戸惑うことがある。
「上着、何着ていこうかな?」
夫は、ウインドブレーカーと厚手のパーカーとどちらか迷っている。彼の場合、サッカーチームの色にもこだわりがあるから、そこもポイントになるわけだが、わたしが迷うのは、暑いか寒いか。気持ちよく晴れて陽射しは強いけれど、北風が吹いている。薄手じゃ寒々しいし、如何にも冬物を着るには、まだ暑苦しいような気がする。
「白のダウンにすれば? 東京じゃ、ダウン着てる人、もう見かけるよ」
夫に言われ、ユニクロのウルトラライトダウンを着てみた。ハーフ丈で色が白だということもあり、さほど暑苦しい雰囲気にはならない。
よし、とダウンを着て出かけたサッカー場は、スピードのあるシュートでさえ流されてしまうほど強い北風が吹いていて、気温よりも体感温度が低く感じられた。ベストセレクトだった。
サッカー場でも、電車のなかでも、美術館でも、その季節にあう、その日の天候にも気温にもぴったりの服装をしている人に出会うと、素敵だなと思う。
見た目が素敵というだけではなく、安心する、というのだろうか。たぶん過不足がないところに、ホッとするのだ。
そういう服装をいつもしていたいと思うのだが、特にこの季節それがけっこう難しい。北風と太陽がいく度となく勝負を繰り返し冬に向かっていくのだから。
軽く温かいダウンに包まれた観戦。
気まぐれな北風にあらぬ方向へ飛んでいくボールを見つめながら、いつしか両方のチームの高校生たちを応援している自分に気づいたのだった。
高校生たちは、懸命に走っていました。
赤や黄色の葉が、グラウンドに舞っていました。気持ちよかった。
銀杏並木は紅葉の途中です。銀杏の実が落ちていました。
帰り道に見た八ヶ岳です。定点観測地点から撮りました。
白いハーフ丈のウルトラライトダウン。冬のあいだ、活躍してくれそうです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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