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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

他人の冷たさと暖かさを知る瞬間

『スーパーカブ』を読んで思い出したのは、娘が原付バイクに乗っていた頃のことだ。

 

田舎であるので、高校生たちにとって原付バイクは足である。高校2年から免許取得を許している高校がほとんどで、上の娘はすぐに免許を取り、兄のお下がりの原付バイクに乗り始めた。

「高校に通うだけなら送り迎えはする」と申し出たのだが、実際妹はバイクに乗らずわたしが送り迎えをしたのだが、彼女はバイトもしたい、遊びたい、終バスは18時半だし、バイクに乗るしかないと決めた。

北風のなか雨のなか、やりたいことのためならえんやこら。

それが遊びのためだというのがまた、すごいよなあと微笑みつつ傍観していた。だがバイクにつきものなのは転倒だ。彼女もやってしまった。

 

国道141号線を走っていて、コンビニに入ろうと2台前の車がブレーキをかけた。娘の前の車は、それに気づくのが遅く急ブレーキになり、追突を避けようとこれまた急ブレーキをかけた彼女は転倒した。その結果踵の骨を骨折。起きあがろうとしたが動けず、国道の真ん中センターラインの上に取り残された。

彼女の両脇を車が走りすぎていく。止まろうとする車は1台もなかった。

他人の冷たさを知る瞬間である。

しばらくして気づいたコンビニの客が、手を振って車を停め、バイクを駐車場まで運んでくれた。

他人の暖かさを知る瞬間である。

娘はそうしてふたつの事実を知り、胸に刻み、受けとめた。

 

兄から妹へ譲られたバイクは、その後も近所の子どもたちの足になり活躍した。田舎の子は、こうして都会ではすることのない経験をしていくのかも知れない。

小熊が通学時に通るトンネルです。不思議な場所につながっていそう!

 

☆『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ、更新しました。

【『スーパーカブ』の”聖地”北杜市をツーリングしよう!】

 

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PROFILE

プロフィール
水月 さえ

随筆屋。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

夫が営む広告会社で経理を担当。

2012年から随筆をかき始める。

 

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。

 

『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

随筆かきます。

 

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