母の日にと、27歳になったばかりの上の娘からプレゼントが届いた。
箱を開けると、明るいピンク色が目にまぶしく、いい香りがした。ハーブティーだった。ポプリのような花がいっぱい入っている。薔薇のお茶らしい。
見ると「凛として輝く女性のローズティー」とある。
わたしの身体を気づかって、選んでくれたのだろう。
「ありがとう」とメールすると、「母の日おめでとう」と返って来た。
ふつう、母の日のメッセージには「おめでとう」は使わないが、我が家では定番になっている。ずっと前に、息子が義母に向けて「敬老の日おめでとう」とメールしたのがおもしろくて、その後、敬老の日も父の日も母の日も「おめでとう」と言いあったりメールしたりするようになったのだ。
ちょっと風変わりの兄をおもしろがるようなニュアンスで妹たちは使っているのだが、息子の義母へのメールに続きがあったことをわたしは知っている。
「今年も元気に敬老の日を迎えられて、よかったね」
だから「おめでとう」だったのだ。
「今年も元気に、母の日を迎えられました」
やわらかく身体に沁み込んでいくようなローズティーを味わいながら、ひとり温かなため息をついた。
お洒落な包装です。英語だとHappy mother's dayなんだ。
抽出用のパックもスプーンも入っていて、至れり尽くせり。
久しぶりに砂時計を出して、のんびり眺めながら淹れました。
硝子の器に淹れたくて、コップで。やわらかい酸味と甘み。
庭では、今年最初のハマナスが咲きました。ローズヒップが採れるバラ科の花。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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