カンヌンでは、何も調べず歩いてなんとなく入った店で食事した。
穏やかな天気で、パラアイスホッケー観戦も寒さは苦にならなかったのだが、夕食、鍋を食べようと入った店はオンドル(床暖房)が効いていてホッとした。身体の芯は冷えていたのだとようやく気づく。
そして翌朝の朝食は、お粥でも食べたいねと店を探し、歩いた。
しかし入った店には、英語のメニューもなさそうだ。英語か写真のメニューはないかと夫が英語で訊ねると、店のオモニは困った顔をした。
そして、6人ほどで食事していた学生らしき男性たちに、何やら話し始めた。通訳できないかと頼んでくれたらしい。
「Can you speak English?」「a little」「me too」
夫と一人の学生さんが、話始める。
わたしはガイドブックの写真を見せ、サポートしようとするが、英語は出てこないから通じなくとも指さし日本語だ。
「こーゆーの、ある?」
すると、学生さん。
「こーゆーのは、ないです」
日本語で答えた。ほかの学生さんたちも、口々に「日本語?」「そーゆーのは、ないよね」「お粥もないです」などと話し始めた。
「なんだ。日本語話せるの? 英語じゃなくて」
「少しなら」「辛いの、だいじょぶ?」
夫は苦笑している。
結局、彼らが食べていたなかから2つを注文し、プルコギと骨付き牛肉の辛みスープ(のようなもの)を美味しくいただいた。愉快な体験だった。
田舎町のごく普通の食堂。やわらかい笑顔のオモニと、そこに通う学生さんたち。韓国の「日常」をちょっとだけ味わえた気がした。
夕食を食べたお店です。水槽の魚出してくれるんだよね? と相談をまとめ、入ってみました。
イメージ通りだった海鮮チゲ鍋。豆腐も入ってるからスンドゥブチゲ?
朝食を食べたお店。柱横のドアが入口です。
熱々のプルコギ! ご飯を入れていただきました。
夫のももらってご飯にかけて。酸味の効いた辛さがたまらなく美味でした。
夫のは左の上から2つ目。プルコギは同じく左の7つ目。ハングル、最後までさっぱりわかりませんでした。ちなみに朝食ひとり7000ウォン(700円)。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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