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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

にんにくの皮むき器

もう30年ほど前のことになる。

友人に、結婚祝いに欲しいと、にんにくの皮むき器をリクエストされた。

3人で銀座に買いに行った覚えがあるから、ほかにも頼まれたなかのひとつだったのだと思うのだが、覚えているのはにんにくの皮むき器だけだ。そんなものが存在するのだと驚いたから印象に残っているのだろう。500円くらいの安価なものだったことも、記憶に残っている。

 

1月に4人でランチしたとき、ふと思い出して訊いてみた。

「結婚祝いにさ、にんにくの皮むき器あげたよねえ。あれ、まだ使ってる?」

「そうだっけ?」

「えーっ、覚えてない!」

「にんにくの皮むき器なんてあるの?」

贈った方も、リクエストした方もまったく覚えていなかった。

「仕事と子育てで時短優先になって、生のにんにく買わなくなっちゃたからなあ」

「刻んだやつとか、おろしたやつ、便利だよね」

「けっこう美味しいのも、出てきたもんね」

「えっ、生のにんにく使ってるの、わたしだけ?」

時代は流れていた。彼女たちはみな現役で仕事を続けてきたし、子供たちが巣立ったわたしとはキッチンに立つ時間の使い方も違うのだろう。

 

町の産直野菜売り場でにんにくが2玉120円で売ってたので買うと、驚くほど新鮮で、皮を剥くのに苦労した。実と皮がぴたりとはりついていてなかなかはがれようとしない。スーパーで買うにんにくは、難なく皮が剥けるのに。

「こういうときに、使うのか」

検索すると百均にもあるらしいので探してみたが、見つからなかった。

にんにくの皮むき器は、幻のままである。

あと30年くらい経ってからまた、「そういえば結婚祝いににんにくの皮むき器、あげたよねえ」なんて話になるかもしれないな。

産直野菜売り場で買ったにんにく。新鮮すぎて、なかなか皮がむけません。

水分たっぷりのみずみずしいにんにくです。

みじん切りにしてオリーブオイルでカリッと焼いたにんにくをオイルごと混ぜたポテトサラダ。

チキンとピザの夕食でした。

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PROFILE

プロフィール
水月 さえ

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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