週末のきのう、夫の友人がワインを持って遊びに来た。
で、何度も迎えている方たちなので、新しい料理を出そうと事前にパエリアを試作してみた。ネットレシピをアレンジしたのだが、そのアレンジがよくなかったのか失敗した。米は芯が残っているし水分が多かったのか全体的にべたべたしていた。パエリアというよりリゾットに近い。それも芯があるリゾット。
料理に失敗したとき、何が困るって、それを食べなくちゃならないことだ。
先週は夫がずっと東京に行っていたので、ひとりパエリアを食べる日が続いた。
温め直すと芯はなくなり、リゾットとしては美味しい。鶏と銀鱈と海老の出汁が効いている。ニンニクも多めに入れた。パプリカとピーマンを大き目に切って上にのせるレシピだったが、粗みじんにして一緒に炊きこんでしまった。それで水分が多くなったのだろう。だが、旨みは濃い。
しかし、自分の失敗を日々目の当たりにすることに疲弊しただけでなく、減ったはずの体重がもとに戻ってしまった。早くなくなるように、ガンガン食べたのだ。まるで目の前からなくなれば、失敗もなかったことになるかのように。けれど失敗は、わたしの血となり肉となってしまった。落ち込む。
思えばお菓子作りにハマった高校生の頃、それで太っちゃったんだよな。それも、美味しいからいっぱい食べちゃうんじゃなくって、失敗したのを食べつつ、美味しくできるまで作り続けたから。やはり失敗作が目の前から消えれば、失敗もなくなるような気がしていたのだ。成長してないってことだ。そして、もったいないからと捨てられないってところも変わってない。
「パエリア、失敗しちゃってさあ」
友人に会うたびに、しゃべると少し落ち着いた。
「わかる~」とか「あるある~」とか言ってくれる友人たちに感謝である。
失敗したときは、しゃべるに限る。どんどん外に出していかないと、体重だって、きっと減らない。
結局、客人たちにはパエリアを作るのはやめにした。次は夫がいるときに、作ろう。失敗も夫婦で分かち合わなくては。よし。リベンジするぞ!
鶏もも肉と海老と銀鱈のパエリアです。美味しそうに見える(笑)
ラスト1分強火にして、おこげもちゃんとできたんだけどな~
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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