御節のなますを作っていて、ふと疑問が湧いた。
「三杯酢って、どうして三杯酢っていうんだろう?」
料理本には「二杯酢」というのもある。
思い立ったが吉日と、調べてみた。
むかしは調味料を杯で量る家庭が多かったらしく、酢1杯+醤油1杯=二杯酢。酢1杯+醤油1杯+みりん1杯=三杯酢と呼ばれるようになったという。
大さじ小さじも、計量カップもない時代に生まれた言葉だったのだ。
もう何十年も「三杯酢」という言葉は、食卓にキッチンに静かに違和感のかけらもなく置かれていて、その意味など考えてもみなかった。
家庭というものは、そんな小さな言葉や、そのもの、それがもたらした時間や会話や温度や、そういうものでできているのかもしれない。
三杯酢で和えたなますです。柚子をたっぷりと入れました。
喪に服して、紅白のかまぼこだけはやめましたが、御節は普通に作りました。
☆2021年も、かき続けていきます。
よろしくお願いいたします。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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