山椒の実を収穫した。
今年は、これまででいちばん実をつけていて、たっぷりと採ることができた。
日曜の朝、夫と採ったのだが、その後珈琲を淹れて、くつろぎながら茎をとった。
部屋じゅう、うっすらと山椒の匂いがたちこめているが、それも珈琲の香りにかき消されてしまった。
しかし、茎をとる指には、しっかりと山椒の匂いがついていた。
珈琲をひとくち飲んだとたん。
「あ、いつもと違う味」
山椒の匂いが、珈琲の味を変えていた。
それがちっとも嫌な味ではない。かえって美味しいくらいだった。心地よく山椒テイストの珈琲を飲みつつ、茎とりの作業を終えることができた。
匂いというものは、味覚をも変えるのだ。
植物の匂いの不思議と、人の身体の不思議をあらためて知る休日の朝となった。
大きなボールなので少なく見えるけど、たくさん採れました。
珈琲を飲みながら、茎とり作業。
茎はちょっと残っていてもいい。というのがわたし流。だって茎も山椒味だもんね。
1回分は佃煮にして、あとは洗ってそのまま冷凍しておけば、煮魚や肉豆腐などに入れて、1年間楽しめます。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。