庭の木苺が、真っ赤な実を揺らしている。
どこからか飛んできた種が根づき、毎年可愛らしい赤い実をつける。特別美味しいというものではないが、摘んで食べたり料理に入れたりして楽しんでいる。
今、庭では紫陽花が次々と花を咲かせ色を変えている。
これまで疑問に思ったことはなかったのだが、紫陽花の花を見ていて、はたと気づいた。木苺の実は、小さな粒がいくつも寄り集まり一粒の実を構成している。だが花は、白くシンプルな5弁花だ。なのになぜ、紫陽花のように花がいくつも寄り集まった形で実が生るのか。
調べてみると、単純明快な理由だった。
雌しべの数が多いのだ。多くの雌しべで種を作り、繁殖していくためだろう。
花を見て、実を食べて、だからこそ湧いてくる疑問。土に近い暮らしを味わうことで、植物の成り立ちや強さや、ほかにも多くのことを教えてもらっている。
木苺の花です。くちゃっとした情けない感じに咲きます。「ニガイチゴ」という種を噛むと苦いところから名前がつけられた種類みたい。美味しくなさそうな名前(笑)だけど、食べることはできます。
これが実です。美しいです。
収穫して食べました。優しい酸味があって甘みも少しだけ。
サーモンのカルパッチョに合わせたら、ぴったりでした。
庭の紫陽花は、次々と咲いています。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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