「今年も庭の栗で、栗ご飯が炊けたね」
まだ早いんじゃないかと心配しつつ、台風で落ちてしまった栗を拾い、栗ご飯を炊いた。心配をよそに変わらず美味しく炊けたので、この言葉がこぼれた。
町内には『梅之木遺跡』のほか、縄文時代に人が暮らしていた形跡が多く残っているが、栗は大切な蛋白源だったらしい。大昔から、この辺りの土地では栗を食べていたのだとは、取材して知ったことだ。
田畑を作るのはまだ先の時代になるから、栗ご飯は食べられなかっただろうが、木の実を拾うのは子どもの役目だったのかも知れないなとか、イガや鬼皮を剥くのはさぞたいへんだっただろうとか、想像が膨らむ。
先人たちが作りだした道具を使い、伝えられた知識を駆使し、日々さまざまな食材を料理して美味しくいただいているのだということを、栗ご飯を味わいつつ、心にとめた。
今年は台風で、たくさん落ちてしまいました。
それでも、ふたりで食べるにはじゅうぶんすぎるくらいです。
一合に、大き目の栗を6個入れて炊きました。
きのうの朝食です。
栗ほっくほく! 塩と酒と味醂で炊きました。
お昼ご飯用に、おむすびに。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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