きのうの朝、ベッドのなかで熱を測ると6度5分だった。

「あ、熱下がった」

心なしか、身体もすっきりしているように感じる。

しかし、考える。これは、プラシーボ効果なのか？

そしてまた、考える。ま、それでもいいか。

日曜に風邪をひいたと自覚し、火曜の朝には熱が出た。熱が出ただろうとは自覚したが、なかなか測る気にはなれない。

測って熱があれば、寝ていなくてはならないし、なければ、しんどいなあと思いながら、片づけなくてはならないことがいくつかある。

そう思うと、億劫になってしまうのだ。

幸い、以前出してもらった抗生剤が3日分ある。医者にかかる必要もない。

体温計を取り巻く心理というのは、けっこう微妙でおもしろい。

会社に行きたくないなあと、熱を測る人がいる。熱が出ていれば休めるからだ。

一方、仕事が山積みだからと熱を測らない人がいる。熱が出ていたとしても休めない。熱が出たと自覚すると余計にしんどくなるからだ。

体温計が表すのはたかが3つの数字だが、測る前から人の心理を左右し、その数字を見た人の気持ちまで左右していくのである。

結局測ると、7度8分だった。微熱だ。適当にやるべきことをやり、あとは休んでいればいい。体温計にそう言われたような気がしてホッとした。

午前中にいろいろを片づけ、それが悪かったのか、午後、熱は8度を超えた。

「体調を崩すのは、休みなさいってことだから」

義母がよく口にする。

子ども達が幼かった頃はそうもいかなかったが、ゆっくり休める今の環境に感謝し、のんびり過ごしている。

朝食は食欲がなく、ヨーグルトに梅サワーの梅を入れて。

お昼は、冷凍してあった鮭おむすびを解凍して。備えあれば憂いなしですね。

夜は、週末に作った鮭の南蛮漬けを。ひとりの食事は手軽がいちばん。