「お嬢さん」
紳士に、呼び止められた。
「上で苺、買ってきたんけ?」
何のことはない、ウォーキングしていて、畑仕事をしていたおじ様に呼び止められただけのこと。いくつになっても「女子」で「ガール」なこの頃。「お嬢さん」も年齢関係なく使えるらしい。
「はい。美味しいですよ。1パック500円です」
見せてくれと頼まれて苺を見せた。見るからに新鮮だと思ったらしく、孫を連れて買いに行くと言っていた。娘さんが静岡にいちご狩りに行ったのだが「えらいたけえ」苺だったとか。
歩いていると、よく思うのだが、「行き」と「帰り」では、同じ道でも見える風景が違う。
山々や、道端に咲く花、畑についた動物の足跡や、雲の形。
だが「行き」と「帰り」は、見える風景が違うだけではない。
「苺屋さん、午前中だけ、やってるみたいですよ」
穏やかな春の日のウォーキングだからこそだろうか。通りすがりの人とも会話がはずむ。しかし通りすがりだが、彼と会ったのは2回目だ。
苺農園へ向かう「行き」にも、会っている。「こんにちは」と、たがいに挨拶を交わしたから、たぶん「帰り」にも話しかけやすかったのだろう。
「帰り」は「行き」の続きなのだ。
畑の畦に咲いていたスノーフレーク。可憐です。
可愛い~♡妖精みたいです。
花より苺(笑)ここ↓の苺、美味しいんです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。