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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

言い散らかしのススメ

「夫婦二人じゃ話すことないし、気詰まりだよなあ」

そんな言葉を、ここ何年かで耳にすることが多くなった。

末娘の大学入学と同時に夫婦二人の生活となったわけだが、子ども関係の友人知人からも、やはり似たり寄ったりの時期に夫婦二人暮らすようになったという話を聞く。田舎に住んでいれば進学の進路も限られてしまうから、都心で暮らす場合よりもそういうケースが多いのかも知れない。

「夫婦なんだから、しゃべることなかったらしゃべらなければいいじゃん」

などと、わたしは思うし、言ってみたりもするのだが、

「そういうわけにはいかないよ」

と、返ってくることがほとんどだ。

「よくしゃべることあるね」

と、言われたりもする。

しかし考えてみても特別話すことなんか、我が家にだってない。その日あったこと、腹が立ったことや、うれしかったこと、誰に会ったとか、何を食べたとか、テレビやニュースの話、週末の予定の確認など。取るに足らないことばかりだ。

そう考えて不意に思い出したのは『カフーを待ちわびて』の一節だった。

 

散歩の時に誰と会ったとか、仕入れた野菜が傷んでいたとか、明日の天気とか。今日あった出来事、それも取るに足らないことをお互いに言い散らかす。

 

そう。「言い散らかす」この言葉がぴったりだ。

夫婦で、あるいは家族でしゃべるときには、たがいに言い散らかせばいいのだ。話すことを考え込んだり、上手くまとめたりする必要は何もない。聞いてる聞いてないでケンカするほどもう若くもないし、子どもが家を出ていく頃の夫婦なら、物忘れレベルもたいして違わぬはずだ。きのうしゃべったことなど覚えているわけもなく、言い散らかした言葉を収拾しようにもできなくなっている。

 

そんなことを考えつつ夫と焼き鳥を肴にビールを飲み、たがいに言い散らかした。両方の両親のこと、子ども達のこと、家のことなどなど。取るに足らないこととは言え、共通の話題が、もともとちゃんと夫婦にはあるものなのだ。

cimg1220父の見舞いに行った東京で、焼き鳥を食べました。

まずはレバーから。半生でジューシーでした。

cimg1224ささみ山葵。さっぱりしていて、ビールにぴったり。

cimg1226鶏たたきです。比内鶏特有の歯ごたえを、楽しみました。

cimg1229つくねの温泉卵添え。木のスプーンで削ぎながら、タレたっぷりつけて。

cimg1231「おあいそしてください」と言うとばかり思ったのに、夫の口から出た言葉は「親子丼をハーフで」アンビリーバボー(笑) 銀座比内やで。

COMMENT

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  1. Yasuko より:

    ま、美味しそうだこと!
    夫婦揃って食べることが好き、アルコールも楽しめる、ってやっぱり素敵です。
    それにしても、「おあいそ」なんて、東京でも使うのですね。関西特有の言葉だと思っていました。
    私も食事は美味しく体調もいいのですが、ちょっとコレステロールを意識しながら、と思っています。

    今日は阪神魚崎駅から岩屋まで乗り、あと病院までタクシーで、と試みてみました。
    来月からリハビリは週1回になります。
    また締め切りが迫ってきました・・・。
    こんなコメント「承認」されますか?

    • さえ より:

      yasukoさん
      「おあいそ」東京生まれのわたしも使いますよ。逆に関西の言葉だったとは知りませんでした。もともとは関西弁で標準語になった言葉みたいですね。
      体調もいいと聞いて、安心しました。寒くなるので気をつけてくださいね。
      コメント、うれしいです♩

  2. ユミ より:

    こんばんは~♪
    うちは単身赴任でしょ。
    普段離れているので、帰ってくると、1時間くらいお互い1週間の間であった事や言いたいことなんかをバーッと喋って、言いつくすともう沈黙の世界ですよ。
    で、思い出したことポツポツ喋る・・・って感じです。
    沈黙非常に多いです。
    でもなんら苦痛に感じなくて、何処かホッとする沈黙だなって思うのはやっぱり夫婦だからなのでしょうか。
    単身赴任が終わると、ますます寡黙な夫婦になること間違いなしです。

    お父様、肺の手術で入院されていらっしゃるんですね。
    そんな時に娘の存在はほんとに心強いと思います。
    どうぞお大事になさってくださいね。

    • さえ より:

      ユミさん
      こんにちは~。
      ホッとする沈黙、うちもあります。二人で別々の本読みながらお酒飲んだり(笑)
      我が家は夫の方がおしゃべりかな。
      ユミさんご夫婦のホッとする沈黙も、そうやっておたがいに過ごした時間をしゃべってからだからなんでしょうね。
      父のこと、ありがとうございます。
      父は見舞うたびにおしゃべりが止まらず、わたしが口を挟む隙もありません(笑)元気になっている証拠だと思います。

  3. ぱす より:

    こんばんわ。
    言い散らかし。
    いい言葉ですね!そうですよね。まあ、夫婦は空気のようなものっていいますよね。
    いちいち、同意を求めたり、反応が悪いとか、時々そんなことで、もめたりもするんですけれど、
    聞いてようが、聞いてなかろうが、自分が言いたいこと言って、解消出来たらいいんですよね。

    なんか、いい事聞きました。
    時にはうるさがっていると感じますが、私はしゃべり続けますよ~。(笑)

    • さえ より:

      ぱすさん
      こんにちは~。
      言い散らかし、いい言葉でしょう。それでいいんだと思うと、ちょっとホッとしますよね。
      ぱすさんは、いつも息子さんと3人での食卓なんですよね。二人よりにはぎやかなのかな。
      食卓を囲むと、食材の話もできるし、家族はそういう蓄積でできているのかも知れませんね。
      負けずに言い散らかしましょうね(笑)

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PROFILE

プロフィール
2016-10-02-11-07-59-1
水月 さえ

随筆屋。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

夫が営む広告会社で経理を担当。

2012年から随筆をかき始める。

 

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。

 

随筆かきます。

依頼はメールフォームからお願いします。

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