東京は猿楽町で、夫との夕飯でのこと。
新島産のこだわりの魚を出す隠れ居酒屋『クレオール一歩』には、昔懐かしい雰囲気が漂っている。ポスターも、雰囲気作りに一役買っていて、そこにかぶせるように手がきのメニューが貼られていたりする。
そのポスター――海原だけがいっぱいに広がっている――に、ふと目を留めた。
○○につかれたら 東京の島 新島
その○○の部分が、「勘八のうてん刺680円」で隠れている。
「何に疲れたらだろう、それ?」
夫が背中にしていたポスターを振り返り、ぺらりと「勘八のうてん」をめくってみる。
「ほーう」
感心したように、うなずいた。
「何? 仕事に疲れたらとか、毎日に疲れたら、じゃないみたいな反応だね」
夫は、ひと口酒を飲んでから、種明かしした。
「人波。人波につかれたら」
なるほど。かいてしまうと野暮だが「波」にかけたのか。
都会の人は、日々疲れるほど人波のなかを歩いているのだろう。
田舎で暮らし始めて20年、たまに東京に出かけるわたしには、雑踏も人波も逆に新鮮に感じられるようになった。田舎のねずみと都会のねずみのあいだを、ちょうどいい具合に行ったり来たりしているのかも知れない。
神田猿楽町の『クレオール一歩』です。
これがそのポスター。
こんなふうに隠れていて。
刺し盛り、美味しかった~♩
新島のシマアジのナメロウ。叩いたばかりの味わいでした。
新島、行ったことないなあ。
☆『地球の歩き方』北杜・山梨特派員ブログ、更新しました。
お刺身の角がきれい!(あたりまえ)
美味しかったでしょうね。
人波ですか!
ハイ私も東京へいくとあの人人人に疲れます。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。