身延町の名産品に、「あけぼの大豆」というのがあることを知った。
友人が、毎年その豆で味噌を作っていると聞いたのだ。たいそう美味しいらしい。
この時期、その枝豆が出回るかと。
一度食べてみたいものだと、思っていた。
その話を聞いた翌日、町内の産直野菜売り場「あけの農さん物直売所」へ行くと、枝豆が売っている。
「この時期、枝豆は珍しいですね」
顔見知りのお店の方に訊ねると、なんとあけぼの大豆の枝豆だという。
「身延町から苗を分けてもらって、育てたそうですよ」
「うれしい! 食べてみたいと思ってたとこだったの」
さて。家に帰って、夫に報告した。
「あけぼの大豆の枝豆、ゲットしたよ」
しかし、夫はふうん、という気のない返事。
「感動がないなあ」
と言うと、さらに「?」が飛ぶような顔をしている。
「身延特産の、珍しい、あけぼの大豆の、枝豆が、売ってたんだよ」
言葉を切るように言うと、ああ! とようやくわかった様子。
「明野の大豆って、聞こえたんだよ。何言ってるのかと思った」
「あけぼの」と「あけのの」一文字違いで、音も似ている。
まあ、間違えてもしょうがないか。
っていうか、明野のあけぼの大豆だから、間違えてすらいない。
見るからに大粒です。
6分茹でて、お湯のなかで2分蒸らしました。「あけの農さん物直売所」の方に蒸らすのがおススメと教わりました。
豆自体も大粒! つやつや~
ほっくほくの美味しさでした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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