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はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

かき菜の匂い

家庭菜園をしているご近所さんに、採り立てのまだ若いかき菜をいただいた。

「根っこは硬いから、とってね」

言われるまま、キッチンで根をもいでいく。

もぐたびに菜っ葉の匂いがつんと鼻をくすぐる。それが、何とも気持ちいい。菜っ葉の匂いに、太陽を、そして土、大地をも感じた。

 

まったく違う匂いなのに、布団を干したときの太陽の匂いや、林を歩いた時の土の匂いを感じたことをおもしろく思った。太陽を浴び、土の養分を吸い育ったのだと知っているからこそ、そう感じたのだろう。

 

以前観たドラマのシーンを思い出した。

「熱湯だから気をつけて」と言われたことで、手にかかったただの水に「熱い!」と反応し、火傷したかのようにその箇所が実際赤くなってしまう、という心理と身体のつながりの不思議を描いた実験的シーンがおもしろくて覚えていたのだ。確か、推理小説が原作のドラマだったと思う。

 

触れた感触、嗅いだ匂い、見たもの、聞いた音、口にした味。

五感でこそ、確かなことが判るような気がしていたのだが、その五感が、知識や思い込みに左右されることもある。

「確か、不確か、不確か、確か」

そうつぶやきながら、安定と不安定の中間に立ち、かき菜の根をもいでいった。

cimg1185畑で収穫したばかりの瑞々しいかき葉でした。

cimg1193双葉が残っていて、可愛い。

cimg1190

この細い根っこを、一つずつもいで。

cimg1197

全部洗って茹でました。半分はお浸し用。

cimg1201鶏がらスープの素と胡麻油で味つけした、シンプルナムル。

cimg1151最近、ナムルをよく作ります。

野菜高騰の折、一袋でたっぷり食べられるもやしナムルには助けられています。

きのうから始まったNHKドラマ『スニッファー』も、匂いが主役ですね。

人の持つ感覚が、注目されているのかも。

 

COMMENT

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  1. papermoon より:

    さえさん、おはようございます♪

    先ほど、コメントを送信したのですがうまく送信できなかったようです。
    もし2つコメントが届いていたら前の分は削除お願いします。

    かき菜という名前の菜っぱがあることを初めて知りました。
    収穫したてのかき菜の瑞々しさは写真を見ただけでわかりますよ。
    ナムル、私も好きです。
    実はモヤシの味が長いこと苦手だったのですが、ナムルにするとペロッと食べてしまえるから不思議です。
    ごはんともよく合いますね。

    五感が知識や思いこみに左右されるということ、なるほどなと思いました。
    逆に、左右されないためにはどうすれば良いのか気になります。

    • さえ より:

      papermoonさん
      こんにちは~。
      コメントをpapermoonさんのブログのように承認待ちにしたのですが、承認待ち表示が出ないみたいで、どうしようか迷い中です。すみませんでした。
      かき菜、美味しかったです。今朝味噌汁にも入れてみました。
      ナムル、ほんとうにぺろりと野菜が食べられる魔法の料理法ですよね。
      生野菜と温野菜の中間的な食感が食べやすいのかも知れませんね。
      五感、思い込みなどに左右されないためには? うーん。ぜひ調べてみたいです♩

  2. ユミ より:

    私もかき菜って初めて知りました。
    三つ葉の少し大きいような感じなのかしら。
    鶏ガラスープの素とごま油のナムルは、私も時々作ります。
    最近のお野菜は、昔の物ほど匂いもしなくなったって思います。
    家庭菜園で作ったお野菜は、きっと匂いも濃いのでしょうね。

    • さえ より:

      ユミさん
      こんにちは~。
      わたしも、かき菜、初めていただきました。最初いただいた方に声をかけられたとき「柿、いる?」って聞かれたのかと思いました(笑)
      三つ葉ほどの香りはないんですが、しっかりした歯ごたえと小松菜よりは強い香りをじゅうぶん楽しみました。農薬はいっさい使ってないって言ってたので、安心だし、確かに流通している野菜より匂いも野菜本来のものなのかもしれませんね。

PROFILE

プロフィール
水月

随筆屋。

Webライター。

1962年東京生まれ。

2000年に山梨県北杜市に移住。

2012年から随筆をかき始める。

妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。



『地球の歩き方』北杜・山梨ブログ特派員

 

*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。

 

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