外食すると、思いもよらぬ発見がある。
先日も、東京は大手町でふらりと入った定食屋、というかとん汁屋さんで驚いた。
大ぶりの椀になみなみとよそわれたとん汁に、豚の角煮とふろふき大根が入っていた。
見るとしっかりメニューにかいてある。
「とん汁定食 豚の角煮、ふろふき大根入り」
食べ始めてから気づいて、驚きが悦びに変わる。
こういうのって、自分では思いつかない。
美味しく食べてもらうために、そして店の看板とするために試行錯誤したのだろう。
ことことと煮込んだであろう角煮も、大根も、しかしさっぱりとした味わいだ。
オフィス街である大手町。周りはスーツ姿の男女が多い。
「おつかれさま。午後もがんばって」
椀のなかから、そんな声が聴こえてきた。
最初は大根は隠れていました。厚揚げだと思っていたけど、写真を見ると確かに豚の角煮。
ちゃーんと面取りしてあるやわらかな大根でした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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