ホシノ天然酵母のパンは、常温で時間をかけ発酵していく。
20℃なら15時間、ゆっくりゆっくりふくらんでいく。
その静かに時針のように見えない速さでふくらんでいく様子が、とても可愛い。
キッチンでのぞきこんでは、微笑んでしまう。
パン生地に入れる酵母も、24時間28℃で発酵させなくてはならず、28℃は難しいので暑い日を選んでたまに手のひらで温めたりした。
「寒い? 温めてあげるね」
そう声をかけつつ温めていたら、夫に笑われた。
この動くものを擬人化してしまう心理。
自分でも不思議に感じるが、静かに静かに成長していくパン生地に、胸ときめかせ2~3日ごとに天然酵母のパンを焼く日々である。
発酵途中、10時間ほど経ったところ。15時間後と考えると、パンをこねるのはどうしても夕食後になってしまいます。
13時間だけど、2.5倍になったらOK。暑い日でした。そして焼くのは、お昼間。
平らに伸ばして、ガス抜きをします。
こんなふうに空気が入っているのを押し出します。
ふたたび小さくなった生地に布巾をかけてベンチタイム。これを30分ごとに2回。
オーブンの発酵機能35℃で、1時間発酵後。
200℃に余熱したオーブンで、30分焼きます。途中、うちのオーブンだと上の方が焦げてくるので、アルミホイルをかぶせて焼きました。
パンの底をたたいて、ポンッと軽い音がすれば焼けています。スイカみたい(笑)
焼き上がりはそんなに美味しそうに見えなかったんですが、これまででいちばん美味しいと、夫が絶賛。バターたっぷり目のホテル食パンに近い感じの生地です。
翌朝のご飯。軽くトーストすると、パリッとした食感がまたいいんだな。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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