冷凍庫に塩鮭の切り身が一切れあったので、ひとりご飯にシロさんの炊き込みご飯を炊こうと、舞茸を買った。
舞茸をカゴに入れるとき微かに違和感があったのだが、そんな違和感も日常と化している。何かが足りないような、それでいてそれもまあいいかというような感覚。日常化してはいけないものが、そこにでんと居座っている。それに気づかないふりをするのがまた日常だ。
その違和感の正体がわかったとき、叫んでしまった。
「牛蒡!」
なんということであろう。
牛蒡を忘れていた。大好きな牛蒡。I♡牛蒡。灰汁も歯ごたえも地味な見た目も、何もかも受け入れるわ、牛蒡。だいたい炊き込みご飯の名前からして「鮭と牛蒡の炊き込みご飯」だというのに。
「わたしとしたことが」
そうひとりごち、末娘が2歳くらいのときに、靴下を履こうとしているのだがうまくいかず「あたちったら! あたちったら!」と言いながらがんばっていた背中を思い出す。
「どうしよう」
ひとりの夜なので何を食べてもいいのだが、すでに炊き込みご飯食べたいモードになっていた。
しかたなく検索し代替案で「鮭とシメジの炊き込みご飯バター風味」を炊く。牛蒡はなかったがシメジは冷凍庫に常備してあった。
それがまた美味しかったから、反省もせずそんなことがあったことすら忘れちゃうんだよね。
最近いちばんの忘れ物ヒットは、東京に行くのに上着を忘れて車に乗ってしまったこと。車を降りるときに気づいたけど、すでに切符もとってあるしそのままあずさに飛び乗った。ドアツードアが日常の田舎ならではのあるあるなんだけど、新宿ビックロで新しいダウン買いましたもの。
「おととしのより、あったかい」
とそしてまた、反省もせず良かったと思う。
だからふたたび上着を忘れて買い物に出たりしてしまうのだ。
当初の計画とは違ってしまいましたが、美味しかった。
このバターが、利いてるんだよね~葱をのせて。
翌日残ったご飯でひとりランチは、目玉焼きとパクチーをのせて、アジアン風に。バターは炊いたときに混ぜておきました。
この瞬間が好き。
こんにちわ。
ドアツードアで、上着が要らない。
こちらもそうですよ。家~車~行先・・。
暖冬傾向で、よけいにダウンの出番も、減って来てはいるのですが、いざ電車移動となると、たちまち困りますね。
忘れたおかげ?で、新しいダウンを買われたのですね。
それも、また良かったですね♪
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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