現金を持ち歩いても安全な国だから日本はキャッスレスへの移行が遅れているというが、個人的には、ずいぶん進んだように思っている。
いつも行くスーパーもクレジットカード払いでノーサインだし、コンビニはたいていSuicaで支払う。たまにしか乗らないが、電車もバスももちろんSuicaだ。薬局も、本屋も、ガソリンスタンドも、ユニクロも、クレジット。宅急便を出すときだって電子マネーである。
だからか、現金がなかなか減らない。そしていくら財布に入っているのか、把握しようという気持ちが薄れてきたように思う。
ところがきのうは、現金支払いが続いた。
クリーニングに夫のスーツやシャツなどを何枚か出すと、千円札が3枚消えた。パン屋に寄って昼食用+α買うと1,500円だった。
「あ、現金ギリギリだった」
気づくが、車に乗りエンジンをかけた途端忘れた。
「産直野菜売り場に寄って帰ろう」
トマトやらブロッコリー、いちごやパクチーやらをカゴに入れ、レジに立った瞬間、思い出した。財布のなかには、たぶん700円くらいしかない。車にあるかと一度戻って小銭を探すが、こういうときに限って100円しかなかった。
「すみません。お金足りなかった」
素直に謝り、トマトとブロッコリーだけにしてもらう。お恥ずかしい限りだ。
「1円を笑うものは1円に泣く」ってことわざ、子どもの頃にバスに乗ろうとしたら1円足りなくて実感したことがあったけど、今の子どもたちは聞いたこともないのかも知れないな。
キャッシュレスが進んでも、財布の中身はしっかり把握していかなくちゃと、バスに乗れずに2時間ほどの距離を歩いて帰った夕暮れを思い出した。
町内の産直野菜売り場で買ったトマトとブロッコリー。3個入り130円のトマトを2袋買ったら、2個オマケ。1個いくらでしょう(笑)
夕食風景。千切りセロリのサラダとスペイン風オムレツ。クルミパン。
明野のトマトとブロッコリー、美味しかったです。
☆こんなこともあったなあ。『十円玉の神様』
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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