久しぶりに、パンを焼いた。
新米が美味しい季節となり、しばらくパンから遠ざかっていた。
そこで初めての挑戦を試みた。一度に2斤の食パンを焼く、というものだ。
とはいえ、オーブンにはひとつしか入らないから、時間差で焼くことになる。オーブン機能の2時発酵35℃に1時間入れるのもひとつずつ。
それでもなんとかなるかと、30分差でスタートした。
まず前日夕刻、生地をこねる。それが20分ほど。胡桃入り食パンから始めた。次に、プレーンな食パン。
ホシノ天然酵母の場合、15時間ほど常温で発酵するのだが、急に冷え込んだせいか発酵は遅れ17時間ほど置くことになった。
生地をゆっくり押し、ガス抜きをして30分休ませるベンチタイムをそれぞれ2回。そして2時発酵1時間。その後200℃のオーブンで30分焼く。
これまで失敗したことを忘れずに、ひとつひとつの工程を注意深く行う。結果、両方美味しく焼きあがった。
いちばんひどい過去の失敗は、パンを焦がしてしまったこと。
うちのオーブンでは、200℃で30分焼くとトップが焦げる。だから途中10分ほどでアルミホイルをかぶせるのだが、そのときは、アルミホイルをかぶせたことで安心してしまった。焦げた匂いを感じたときにはすでに遅く、トップの半分が真っ黒になっていた。アルミホイルがズレたのだった。
それからは、アルミホイルを大きめに切り、ズレないようにカーブさせるようにした。
胡桃パンの胡桃は多すぎても美味しくないし、バターによって塩加減が違ったりもする。そんなひとつひとつの失敗が経験となり、変わらぬ美味しさとなっていく。
主婦って、なんてクリエイティブな仕事なのだろう。
日々作り上げている消えてなくなってしまうものたちが、家庭を作っていく。
第一発酵が終わった胡桃パン。
こちらは、プレーンな食パン。第一発酵完了。
ガス抜きのベンチタイムは30分ごとに2回。
50分の時間差で、ぶじ2つのパンが焼きあがりました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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