「チョコのなかに、エスプレッソが入っているんですよ」
薪割りの手伝いに来てもらった客人にそう言って出したのは、ローマのスーパーで購入した「ポケットコーヒー」だ。
あるサイトではかじるな危険と謳われているので、一応エスプレッソが入っていると言い置き、すすめる。
それなのに彼は、口に入れてひどく驚いた。
「わっ、なにこれ。ウイスキー入ってるじゃないですか!」
一瞬、今日は車運転しないよな、と不安が頭をよぎったという。
「エスプレッソが入ってるって、さっき言ったじゃないですか。珈琲ですよ、珈琲」
チョコレートのなかに液体が入っている = ウイスキーボンボン。
この公式が多くの人に根付いているのだと、再確認した。
以前見たサイエンス系のバラエティ番組では、「熱いから気をつけて」と言い置きやかんを手渡すと見せかけ、タレントの手に冷水をかけるという実験が行われていた。全員が全員「熱い!」と飛び上がる。実際、手が赤くなりやけどに近い状態になった人もいた。
思い込みによる脳からの指令で、やけどまでしてしまうという実験結果だった。
思い込みは、決して侮れない。
ということは、珈琲も、思い込みでウイスキーになるのだろうか。
最後の1個になるまで、写真撮ってなかった! 器はオリーブの木で手作りされたものです。「オルヴィエート大聖堂」の前の雑貨屋さんでゲットしました。
ラスト1個を、切ってみました。
しっかりエスプレッソ、入っていますね。スプーンでチョコに戻して食べました。
千葉のピーナッツとシャンパンを、お土産にいただきました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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