「ラ王の赤タンタンが、出たんだ」
夫はわたしがいないお昼に、ファミマで買って食べたという。ラ王タンタンは、赤も黒もファミマ限定商品だ。
「いいな。いいな。ずるーい」
こういう夫婦間のやきもちは、けっこうある。わたしが辛いの好きだって知ってるくせに、とふくれてみたりする。
「すっごく辛かった」
というその赤タンタンを、ようやく食べることができた。たしかに、すっごく辛かった。
「でも、この味。花椒の辛味がたまらないこの味」
と、ひとり思い出す。
それは、むかし大好きで何度も通った立川駅ナカ「雲吞好」の海老雲吞春雨四川風の味だった。
「なつかしい」
足が遠のいてしまった好きな店の味を、こうしてコンビニカップ麺で楽しめる日が来るとは。
「今度は、海老雲吞、作って入れてみようかな」
夢はふくらむ。
オレンジに近い赤です。ファミマと日清のコラボ商品なんですね。
「バッチリ辛い」というわかりやすいコピーの通り、バッチリ辛かった。
麺が埋もれるほど調味料たっぷり。
ついいつもの癖で、ラー油全部入れちゃった。
麺にも花椒が練りこんであるそうです。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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