いったいいつまで、こんな寒さに震えるのだろう。
5月の半ばを過ぎて、夫があきらめたように言った。
「今夜は、鍋にしようか」
だから、タイトルの「五月鍋」という名の鍋があるわけではない。
彼の頭に浮かんだのは、「鶏たたき鍋」だった。
『鍋の天下一品』に載っている、何度もリピートしているメニューである。
☆シミルボンサイトで連載中【『鍋の天下一品』で、鍋を楽しむ】
連載したなかの「鶏たたき鍋」を見ると、まだ白菜が美味しくならない季節、鍋始めにの頃。11月半ばだ。
やはり、真冬の鍋というより、冷え込んだときに食べたくなる鍋なのだろう。
驚かれるかもしれないけれど、家ではまだ、ヒートテックの下着にフリース生地のタートルネック、それに上着を羽織ることもある。それが日常だ。
同じ山梨県内でもずっと暖かい甲府へ行くときには、下着から替えていかなくてはならない。
風呂で温まって、鍋で温まる日々。いつまで続くのだろうか。
「炬燵、仕舞う?」
「いや、梅雨まで出しといていいんじゃない」
つい昨日の会話だ。
材料は、鶏胸の挽肉とささみと葱を叩いて白身を混ぜた鶏たたき。鍋に落とす直前に黄身を混ぜる。豆腐、水菜、葱、椎茸。
鶏たたきを落として一度煮立ったら、水菜以外の材料を投入。
葱と椎茸が煮えたら、水菜を入れて。水菜はシャキシャキしている方が好きなので、すぐに食べます。
翌朝は、煮詰まった汁を少し薄めて雑炊に。鶏たたきが1個ずつ残っていました。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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