軟白葱の小口切りがたっぷりとのった、味噌ラーメンを食べた。
東京駅のラーメンストリートでのひとりランチである。週末、仕事を終えた夫と東京駅で待ち合わせ、夫の実家である神戸に帰省したのだ。
で、ラーメン屋でのこと。
この季節、コートやダウンジャケットをみな着ているが、当然ラーメン屋では脱ぐことになる。北風よりも太陽よりもラーメンは勝るんだよなあと実感する。
そのコートを脱いだ、斜め前のカウンターに座る男性の背中に目が引き寄せられた。たぶんコートのものであるらしい糸くずが、白いシャツの背中にいくつもついている。ああ、言ってあげたい。でも、言うほどのことでもない。糸くずをとってさえあげたい。いや、それじゃ変なおばさんになってしまう。
とりあえず、ラーメンに集中しよう。集中。集中。
軟らか葱たっぷりの薄味味噌ラーメンは、めちゃ美味しかった。
「子どもは親の背中を見て育つ」とはよく言われる比喩である。
しかし比喩ではなく、そのまんまの背中も大切である。
その後コートを脱いだ自分の背中をトイレで確認した。糸くずはついていなかったが、きちんとつけていたはずのビーズネックレスが前後逆になっていた。スカーフをぐるぐる巻きにした際、一緒にぐるぐる回ってしまったらしい。
ということで、神戸帰省で外を歩く時間の多いこの週末。「人のふり見て我がふり直せ」強化月間絶賛実施中だ。
野菜たっぷりべジラーメンが売りの店ですが、やっぱり葱ラーメンなわたし。
東京駅一番街地下ラーメンストリートの『ソラノイロ』で。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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