卵蒸しを、作ってみた。
平松洋子『夜中にジャムを煮る』にあった蒸し料理で、簡単にいうと、卵蒸しとは茶碗蒸しの具なしバージョン。卵を出汁で溶いて漉して蒸すだけ。簡単なはずだった。
ところが、朝突然思い立ったので、いろいろ慌てた。
簡単、簡単と卵生地を流し込んだ茶碗蒸し用の器を蒸籠に入れると、なんと蓋が閉まらない。仕方なく蕎麦ちょこを使ってみるが、これもまた閉まらない。
平松洋子は、30㎝の蒸籠。何種類かの野菜を並べ、一緒に「大鉢で」蒸すとあった。
わたしの蒸籠は21㎝の初心者用。大鉢はムリだが、すっぽり入る中鉢で蒸すことにした。
動揺し、蒸し時間を調べ忘れ、強火で5分蒸してしまう。
蒸し器はじめてセットには、具を入れた卵3個分で「強火5分加熱後、弱火15分」とあったが、5分のあいだに「茶碗蒸し、蒸し時間」で検索すると「強火3分加熱後、弱火10分」とある。最初から「弱火10分から15分」とかかれたサイトもある。
結局「強火5分加熱後、弱火10分」で蒸したが、すが立ってしまった。
「す」は「鬆」とかき、蜂の巣状に穴の空いた状態のことをいうそうだ。卵と水の固まる温度の差によってできる「す」は、強火時間に発生するらしい。
熱々の卵蒸しは言い得ぬ美味しさだったが、ここは綺麗に蒸し上げたい。たぶん舌触りも違うはずだ。我が家の卵蒸しレシピを完成するまで、挑戦し続けよう。
だいじょうぶ。
レシピには、こうある。
ふるふる震えながらのどを滑り落ちていく、とびきりの優しさ。夏も冬も一年中飽きずにつくっている。卵1個にだし120ccが目安。塩も醤油もほんの少しだけ。
飽きの来ない味だから、そのうち美しい卵蒸しが作れるようになるだろう。
蒸し上がり。いろいろ慌てたので、表面でこぼこ、わずかにすが立ってしまいました。
でも熱くて、つるんとしてめっちゃ美味しかった。
ちょうど三つ葉があったのでのせてみましたが、ない方が美味しい。
沼津ドライブで買ってきた、釜揚げ桜えび丼の朝ご飯でした。
使えなかった茶碗蒸しの器、5個セット。
結局、鍋の取り皿に使う平たい中鉢で、蒸しました。
蕎麦ちょこも試してみたけど、蓋が閉まらなかった。
多治見の陶器祭りで購入した小さめの蕎麦ちょこも、やっぱり蓋が閉まらない~残念。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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