北海道から、氷下魚の一夜干しが届いた。
「こまい」と読む。
氷の下にいる魚。厳冬期に氷を割って漁をする”氷下待ち網漁”で捕られる、寒さに強い魚だそうだ。
アイヌ民族の食卓でも親しまれていたようで、アイヌ語では「小さな音がする魚」という意味の言葉で「コマイ」あるいは「カンカイ」と呼ばれていたという。氷を割る音から、そう呼ばれるようになったのかもしれない。
おもしろいのは、「コマイ」に小さいという意味はないのに、体調25㎝以上になると「オオマイ」と呼ばれていること。
「コ」という音が「小さい」を連想させ、じゃあ大きいのは「オオマイ」だろうと、ひとり歩きしてしまった。言葉や名前の成り立ちは、そんな偶然性が絡み合っていて、興味深い。
オーマイガッ! と駄洒落を飛ばしたくなる。
アイヌの人たちも、冷凍と乾燥を繰り返し、保存食として食べていたらしい。今もその方法が受け継がれていて、乾燥した氷下魚は非常に硬く、金槌で叩いたり揉んだりしてやわらかくして食べるそうだ。
タラ科で、味わいは淡泊。炭火で焼くと、一夜干しはやわらかかった。
マヨネーズと七味を混ぜてつけながら食べるのが、北海道の居酒屋などでは定番なのだとか。
最近あまり食べなくなったけど、結婚した頃夫は、スルメを焼くと必ずマヨネーズと七味と醤油を混ぜてつけていた。
あれは、北海道の居酒屋的食べ方だったのだろうか。
冷凍で、たくさん届きました。
バーベキュー。炭火で焼いたら、ガスの火よりずっと、やわらかかった!
北海道の居酒屋風に。
するりと身が開きました。優しい味の干物でした。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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