緑茶が美味しい季節になった。
高価ではない美味しいお茶をといろいろと試してみたが、今はてらさわ茶舗の「ゆしかざ」に落ち着いている。
知覧の茶葉を使った深蒸し煎茶だ。
恥ずかしながらつい数年前まで「知覧」という地名を知らなかった。
知ったのは、友人に誘われ築地の茶遊会へ出かけたときだった。お茶どころであり、武家屋敷が残る薩摩の小京都、特攻隊基地の歴史も持つ鹿児島県の町だという。
その知覧のお茶を好み、熱いお茶が美味しい季節には毎日味わうようになった。
苦みや渋みが少なくすっきりとした味わいで、上品な香りが特徴だ。
煎茶を味わうたびに、知覧という土地を思う。
足を運んだことのない土地で育った茶葉を煎じたお茶を毎日味わう不思議を。
こうして、行ってみたいところは増えていく。
ゆっくりと淹れた一煎目のお茶。茶遊会で選んだ急須、健在です。蓋がかけてしまいましたがアロンアルフアでつけると、お茶、変わらず美味しく淹れられるようになりました。
ネットで買っている知覧の「ゆしかざ」です。淹れ方もいつもついてきます。あ、裏だった(笑)
沸騰させたお湯を80度まで冷ますのがコツなんですね。そして最後の一滴までしっかりと注ぐ。
気に入って使っている茶筒は、友人のお子さんのお芝居を観に行ったときにいただいたお茶が入っていたものです。100gぴったり入ります。
残り物の肉豆腐に卵を落とした朝ご飯。お味噌汁がなくても、美味しいお茶がご飯をより美味しくしてくれます。
こんにちは。
私は知覧は「空の色紙」という小説で知りました。その後に九州に実家がある方にお茶をいただいた時に「知覧茶」を知りました。私には知覧=特攻隊のイメージしかなくってそれは大切な記憶だけれど、それしかイメージ出来ないのは失礼なことだったと反省しました。
日本茶の美味しい季節になりました。このところ私も知覧茶を頂いています。
九州は茶どころ、詳しい人から頂いた「八女茶」に凝った頃もありますが、知覧を訪ねた時のショックが強烈に残っていて、また人と違った味を感じながらではと思います。
特攻隊、明日飛び立とうとする若者、というより15、6歳の少年の書き残した手紙がずらりと並んでいました。 下書きなどしていない筈だのにどれも墨の字できちんと書かれていて、自分たちが飛び立つことで家族を守ることになるのだとしっかりと書いているのも痛々しく。
「おかあさん」にあてたものがほとんどだったように記憶しています。お母さん代わりのお世話の女性のお話も聞きました。
「平和」の時代に暮らしながら、生きている限り争いは避けられないものなのかしら、としきりに思うこの頃です・・・。
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
*このサイトの文章および写真を、無断で使用することを禁じます。
管理人が承認するまで画面には反映されません。