珈琲を淹れようと、薪ストーブの上にかけてあるやかんをガスコンロにかけた。
ガスコンロで再沸騰させた湯で、ドリップするためだ。そのあいだに珈琲豆を手挽きのミルで挽く。浅煎りの豆だったから、ガリガリと大きな音を立てる。
そのときふと、ピーピーとやかんが鳴る音が聞こえて、ミルを挽く手を止めた。
だが、やかんは沈黙していた。それもそのはず。薪ストーブにかけているやかんはピーピー鳴らないものをと、選んだ末に珈琲ドリップ用のやかんを購入した。ピーピーとなど鳴るはずがないのである。
苦笑した。空耳だ。
「やかんを火にかける=ピーピー鳴る」という方程式がわたしのなかに根をはっているのだろう。
キッチンで洗い物をしているとき、風呂で髪を洗っているとき、子育て中は、よく赤ん坊の泣き声が聞こえた。電話のベルも、たまに聞こえた。子どもたちが呼ぶ声も、夫が呼ぶ声も。
久しぶりに聞いた空耳に、そんなことをなつかしく思い出し、ひとりゆっくりと珈琲を飲んだ。
家のまえで「キッ、キッ」と「ピッ、ピッ」の中間くらいの音が聞こえました。空耳ではなく、ジョウビタキ(♂)の鳴き声でした。
けっこう近くに寄っても、飛び立たずきょろきょろしたり、枝から枝に移ったり、遊んでいるかのようでした。羽の白がまぶしい。
こんにちは♪
空耳で思い出しました。
私は普段ひとりだけど、そんなに怖がったり過敏になったりはしてないんですが、
いつもお風呂で空耳体験してます。(笑)
ひとりのお風呂が寒いので、浴室暖房をつけて入るんですけど、ゴーって音がしているんです。
その音の中でいつも、電話の留守番電話の「ただ今留守にしています・・・」
っていう声が聞こえたような気になるんです。
最初はお風呂から出て、確認しに行ったけれど、最近は「空耳、空耳」って気にしてないんだけど・・・
それでもやっぱりそんな風に聞こえるんですよね。
それも自分の中で勝手に作った方程式なんでしょうね~
ユミさん
おはようございます♩
わたしもひとりでいること、多いんですが、ユミさんもですよね。
お風呂の空耳、ありますよね~
留守番電話の声は・・・ちょっと怖い感じ(笑)
ユミさんのなかでどんな心理が働いているんでしょう。
空耳ではないんですが、我が家はいまだ木材が音を立てることがあり、2階に誰かいるよねとかジョークで言っています。
座敷童、いるのかも(笑)
随筆屋。
Webライター。
1962年東京生まれ。
2000年に山梨県北杜市に移住。
2012年から随筆をかき始める。
妻であり、母であり、主婦であること、ひとりの人であることを大切にし、毎日のなかにある些細な出来事に、様々な方向から光をあて、言葉を紡いでいきたいと思っています。
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